フクザワ
演劇部の名物主将。元々、にゃべ、タカミネ御曹司とともに「オトコマエ3人衆」に数え上げられるスマートな美男子だったが、寧ろ「演劇部部長」や「お嬢の天敵」としての方が有名だったのは、持ち前のアクの強い性質のためだろう。しかしながらこのフクザワは、筋金入りの優等生だ。
同じA市の中学で、ともに生徒会長を勤め上げて常にトップ周辺の成績だったにゃべ(B中)やゴトー(C中)がナマケモノのせいで、高校では成績がジリ貧に落ちていったのに対し、フクザワの方はどういう手を使ったのかは全く不明ながらも、あれだけ演劇に熱中していた中で、常に上位をキープし続けた。
フクザワの受験は、国立がにゃべと同じ『X大・経済』、私立が『K大・経済』、『W大・商』と難易度の高いところばかりで、本命の『X大・経済』に合格。
高校時代は、演劇に明け暮れていたような演劇青年で、在学中の劇の台本は殆ど彼が書いていたと言われたほど文才があった。大きな発表会の前は、部室に泊まり込んで食事も摂らず徹夜で推敲したりする事も珍しくなかったとも言われたように、根っからの凝り性というか熱しやすいタイプだ。それだけに、あれだけお嬢とも遣り合って来たといえるが、お嬢以外の部員からは絶大な信頼を寄せられていた。
なにしろ、あの激情家のお嬢でさえ「台本には一度もケチをつなかった」というくらいだから、よほど完璧だったに違いない。
にゃべも小学生時代から、家にあった「世界文学全集」を片っ端から読み漁り、読書量では誰にも負けるわけはないと密かに自負していたが、フクザワの台本にはこうした名作のフレーズなどが頻繁に借用されていて
(コイツはもの凄い読書家だ・・・)
と、舌を巻いた。
このフクザワの賢いところは、それだけの文学青年でありながら「文学部」ではなく「経済」系の学部ばかりを受験していた点だ。
「文学部だと、就職が厳しくなるからな・・・」
と抜け目なく計算していた点や、語学専攻でもないのにいつの間にやら英検2級を獲っていたりと、総てにおいて能力ばかりでなく計画的というか、良い意味で抜け目のない計算の高い男だった。
淳子
お気に入りだった淳子は「医者の娘」だけあって、さすがに学力が高かった(勿論、医者の息子でも五浪だか六浪の末に、やっとこさ公立最底辺の某歯科大に「疑惑入学」を果たしたのもいたがw)
A市に5つある中学では最も学生数も多く、レベルが高いといわれた『A中』時代から、常にカトーらに次ぐトップクラスで、生徒会副会長を務めて来たところなどは『B中』の香や『C中』の真紀と似た経緯だが、学力・美貌・お嬢さん度とも、どこから見てもこの淳子の方が遥かに上を行っていたのは間違いない。
『A高』での生活における最大の心残りといえば、やはり彼女と一度として言葉を交わすチャンスがなかった事だ (`Д´)y-~~ちっ
1年生の時は、にゃべがF組で淳子がC組、文理に分かれた2年以降は淳子が理系に行ってしまったため、A組とG組(2年)、A組とH組(3年)と、まったくかけ離れてしまった。
彼女をひと言で評するなら「綺麗」という以外の表現が見つからない。実際、大学時代を含めた学生生活を通じても、あの美しさは屈指であり、漫画やドラマに出てくる「お嬢さん」のイメージそのままだった(もっとも殆ど接触がないまま、常に「遠景の富士」として眺めていただけだったせいかもしれないが)
淳子の本命は、やはり同じ『X大・理』で、これは合格と聞いていただけに
(案外、京都の町でバッタリなんて事も・・・)
と、大いに胸を膨らませたものだ。
(当然、下宿だろうから、案外と近くに住んだりして・・・)
もっとも実家が金持ちの淳子の方は、恐らくそれなりの高級マンションと推測できるだけに、同じ物件になる事はあり得ないだろうが・・・
(しかし、京都は狭いらしいからな)
と都合の良い妄想に耽ったりした (`m´+)ウシシシ
あの京の美しい町並みをバックに、それに勝るとも劣らぬ美しくたたずむ淳子の姿に、再びお目にかかるようなチャンスが待っているのだろうか? ( *^艸^)ムププ
0 件のコメント:
コメントを投稿