2005/05/08

友との再会(大学受験シリーズpart5)

 京都の大学への入学が決まり、18年間住み続けたA市から離れる事になったにゃべ。


 (また帰って来る事があるのか、それとももうしばらくは帰る事はないのか・・・)


 と引越し準備に入ろうかという矢先に、ムラカミから電話が入った。


 「よー、にゃべ!
 今から、ちょっと出て来られねーか。実は、マサと一緒なんだ」


 「マサって、あのマサか・・・?」


 「そうそう・・・マサが、オマエに逢いてーつーから」


と突然の呼び出しがかかり、指定の待ち合わせ場所へ赴く。マサとは中学以来、3年ぶりの顔合わせだ。


 「よー、久しぶりだなー」


 「オーオー、オマエも変わんねーな。ま、ともかくどっかに落ち着いて、ゆっくり話そうじゃねーか・・・」 


 と、マサの車で近所のCafeへ。時期が時期だけに、テーブルを囲むや早速受験の話になるのは、仕方がない。


  「おい!

オマエ、X大に受かったんだってなー、スゲーな!」


 「まあな・・・ちょっと本気出しちゃってな・・・」


  「憎たらしいやっちゃな。オメデトウ言ったろう思ってたけど、止めたわ」


  「そういうオマエこそは、どうだったんだ?」


 「オレは学院だからな・・・ちょっと遠くなるが、まあ通学さ。ムラも通学だよな?
てことは、オマエだけが京都か・・・」


「そうそう・・・そういやグリとかは、あれからどうなった?」


「グリは相変わらず、野球ばかりやってたな。一般入試でC大の体育に入ったとか訊いてたが・・・カワイ(サッコ)のヤローはS短期(女子大)らしい・・・ま、なんにしろ、やっとアイツからは開放されたわけだ」


「にゃるほど・・・ところで、こうして『B中』の連中と逢うのも最後だろうから、グリも呼んでシモッチの家にでも押しかけるか?」


と話が決まったものの、電話をかけるとオグリは不在だった。


 そこで、かつての悪友トリオはマサの車でシモッチの家へ乗り込むと、珍しくシモッチの父が出迎えて来た。


 「よー、珍しい連中が来やがったな・・・「にゃべは、X大だって。やっぱ大したもんだな。それにムラカミもN大とは、さすがだね」


 どこから訊いたか、さすがに情報は早い。


 「にゃべは、まったく受験勉強もせんと、ようX大に受かったな」


 「まあ、やっぱX大くらいに入るとなると、地頭が違うんだろうな。しかし、マサのA学院ってのは、実にもの足らん・・・」 


 などとさすがに職人だけに、ガラが悪い上に遠慮がない。


 (大きなお世話だ) 

 

 「まあ、あのオヤジは大学の事などちっともわかっとらんから、マサも気にすんなや・・・」 


 と、すかさずフォローするシモッチ。そのシモッチ自身はといえば『A工業高』から、電気関係の専門学校に進む事が決まっていた。


 「てーことは、にゃべだけが京都で、後の3人は自宅通学かよ」


 「しかし、にゃべはええなー・・・京都に下宿して、新生活かー」


 という、マサのボヤキが耳に残った。


 数日後の事。今度は卒業前の約束に従い、ムラカミ&シゲオと悪友トリオが再会した。


 「あー、ええなー。オマエは、京都で下宿生活か・・・」


 「だったら、オマエも『W大』に行きゃあ良かったんだ」


 「オレも『W大』に行きたかったんだけどな・・・親が煩くてな・・・」 


 と、ぼやくムラカミ。


 「そうそう・・・オマエが『W大』に行ってりゃ、東西と真ん中で折角いいバランスだったのになー」


 「シゲオも名古屋だし、あんまり変わり映えしねーな・・・」


 「N工とN大って、割りと近いんだろ?」


 「そういや『名大』も結構、田舎だったよな」


 「オマエだけ、天下のX大に受かったからって威張るなって」


 「いや全然、威張っちゃいねーが」


 「大体、オマエがX大に合格ってのは、世の中くるってるとしか思えんっつーか」


 などといった調子で、ボロカスの遣り合いはどこまでも続いていった(* ̄m ̄)ブッ

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