『ペトルーシュカ』(露語:Петрушка , 仏語:Pétrouchka)は、ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽の二作目の作品である。
おがくずの体を持つわら人形の物語で、主人公のパペットは命を吹き込まれて恋を知る。ペトルーシュカ(ピョートルの愛称)は、いわばロシア版のピノキオであり、悲劇的なことに正真正銘の人間ではないにもかかわらず真の情熱を感じており、そのため(決して実現しないにもかかわらず)人間に憧れている。
ペトルーシュカは、時おり引き攣ったようにぎこちなく動き、人形の体の中に閉じ込められた苦しみの感情を伝えている。ぺトルーシュカとは人形の名前で、この物語はぺトルーシュカと踊り子、そしてムーア人という3体の人形が登場する。
大物興行師ディアギレフとのコンビにより『火の鳥』に続く三大バレエの第2弾となる作品であり、初演で主役のぺトルーシュカ役を務め大成功に導いたのは、不世出の名ダンサーと言われたニジンスキーであった。
同じく初演で成功を収めた、前作『火の鳥』は比較的オーソドックスな音楽で、ストラヴィンスキー入門としては最適かもしれない。しかし、本当にストラヴィンスキーがストラヴィンスキーらしくなっていったのは、この『ぺトルーシュカ』からという見方が妥当であろう。おもちゃ箱をひっくり返したように、目まぐるしいまでに次から次へと印象的で楽しい音楽が飛び出す。
第1場 第1部:謝肉祭の市 Fête populaire de semaine grasse
導入 - 群集 Début - Les foules
人形使いの見世物小屋 La baraque du charlatan
ロシアの踊り Danse russ
宗教上の長い断食期間に先立って行われる「シロヴェティデ」と呼ばれる数日間の市場(いわばロシア版マルディ・グラ)によって舞台が始まる。しばらく破目を外すことのできない日々を前に、みんな大いに浮かれている。
オーケストレーションと頻繁なリズムの変更は、祭日の喧騒とざわめきを描写している。手回しオルガン奏者と、踊り子が群衆を楽しませている。ドラムは老魔術師のお出ましを告げ、魔術師が観衆に魔法をかける。
突然に幕が開いて小劇場が現われ、魔術師が動かない命のない3つのパペット(ペトルーシュカ、バレリーナ、荒くれ者のムーア人)を取り出す。魔術師は、横笛を吹いて魔法をかける。命を与えられたパペットたちは小さな舞台から飛び出し、ぎょっとしている市場の通行人の中で踊り出す。生きた人形たちは、激しいロシア舞曲を踊る。
出典Wikipedia
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