第2部:ペトルーシュカの部屋
『ぺトルーシュカ』は、ディアギレフのバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために、1910年から1911年にかけて冬に作曲され、1911年6月13日にパリのシャトレ座で初演された。公演はおおむね成功したが、少なからぬ聴衆はドライで痛烈で、時にグロテスクでさえあるこの音楽に面喰らった。
ある評論家は、本稽古の後でディアギレフに詰め寄って
「招待されて、こんなものを聴かされるとはね」
と言ったところ、ディアギレフはすぐさま「御愁傷様」と言い返した。
1913年にディアギレフとロシア・バレエ団がウィーンを訪れた際、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、当初《ペトルーシュカ》を上演することを渋って、この楽曲を「いかがわしい音楽」(“schmutzige Musik”)と呼んだ。音楽はハ長調と嬰ヘ長調を組み合わせた、いわゆる「ペトルーシュカ和音」が特徴的であり、複調性によってタイトルロールの登場を予告する。
第2場 第2部:ペトルーシュカの部屋
ペトルーシュカの部屋になる。一面暗い色をした壁は、黒い星印や半月、老魔術師の肖像が飾られている。ペトルーシュカは、自分の小部屋に音を立ててぶつかり、魔術師に蹴飛ばされて暗い部屋の中に入る。
ペトルーシュカは、見世物小屋の幕の陰で気の滅入るような生活を送りながら、バレリーナ人形に思いを寄せている。むっつりとした表情の魔術師の肖像画が、ぼんやりと浮き上がって見える。まるでペトルーシュカはただの人形で、人間と同じでないのだから従順で謙抑であるべきだとでも言いたげに。ペトルーシュカは腹を立て、魔術師の睨み顔に拳を食らわす。
ペトルーシュカは人形だが、人間的な感情があり老魔術師に対しては囚人のような気持ちを、美人のバレリーナには恋心を抱いている。ペトルーシュカは、自分の小部屋から逃げ出そうとするが果たせない。バレリーナが入って来る。 ペトルーシュカは思いを告げようとするが、バレリーナはペトルーシュカの哀れっぽい口説き文句を撥ね付ける。ペトルーシュカは魔術師につれなく扱われると、バレリーナはムーア人といちゃつき始め、哀れなペトルーシュカの感じやすい心を打ちのめす。
出典Wikipedia
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