2005/05/12

幼馴染の受験(大学受験シリーズpart7)

シゲオ

名古屋では『N大』に次ぐ、国立2番手といわれる『N工大』に合格したシゲオ。『A高』に入ってからの付き合いだが、一気に親しさを増していったため、中学くらいからの旧知の仲といった感じさえした。 同じクラスになったのは1年生の年だけだったが、最後の夏休みには海岸にあるにゃべ家の別荘に一緒に泊まるなど急速に親しくなっただけに、こうして旧知の友と別れなければならないのは、やはり寂しい限りである。

 

美佳
『B中』時代は何かと縁があり、それなりに親しくもあった美佳だったが、高校になってからはすっかり疎遠となり、会話を交わす機会もなくなった。その美佳の受験結果は『S大』に合格している。『N大』は無理で、ランク的にはおそらく『N市大』というところだろうが、N市大に語学系の学部がなかったため、隣県とはいえ通学の難しい大学しか選択肢がなくなる。

 

香里
語学専攻で、英検は準1級。隣の教室に所属していながら、香里に対する情報はにゃべの地獄耳にも、あまり入って来なかった。香里とも香や小夜子、或いは奈津子、美佳らと同じく小学校時代からの同窓であり、かつては一緒にクラス委員長も務めた事のある仲だが、元来が大人しく控えめな性格だけに『A高』では、益々影が薄くなっていた。

 

奈津子
入学当初は、上位100人にもその名をあまり見かける事がなかったが、最終的に100番まで発表された席次では、香里を上回る70番台に喰い込んでいた。元々、香同様に自分自身の事は黙して語らないタイプだったが、受験結果もまったく謎だ。新聞の合格発表でも名前を見た記憶はなく、どこを受験したのかも定かではない。小・中時代は成績上位にいながら、終始控えめだった香や香里に代わり「女ボス」として頼られていた奈津子だったが、『A高』ではすっかり存在感が希薄になっていたのはちょっと寂しい感じがしたものだ。

 

ゴトー

T芸術大』(音楽学部)を受験したのには驚いた。

 

 「オレは、ゲーダイに行く」

 

と言う話は本人の口から何度か訊いていはいたが、あくまでもネタだと思い込んでいた。そもそも「音楽科志望」と訊いていたこと自体、オフザケ男一流のジョークだと思っていたくらい、サッカー少年ゴトーと音楽との結びつきは希薄に感じた。

 

元々音楽好きで、ジャズを初め数々のジャンルの物を聴いてはいたようだったが、Classic音楽にかけては自分の方が遥かに詳しかった。が、このゴトーの「音楽科志向」は本物で、私立の方も「音楽科」のある大学を熱心に漁っていた模様だった。

 

結局

 

「ゲーダイ以外は、ロクなところがねー」

 

とぼやいていた。

 

「で、ゲーダイとやらのレベルはどうなんだ?」

 

「マジでスゲーぞ。T大以上の難易度だな」 

 

「んじゃ、オマエが万に一つも受かるはずはねーな・・・」 

 

「なーに、心配無用だ。オマエのX大よりは、遥かに可能性はあるだろう・・・」

 

などと吹いていたが、予想通りの不合格だった ヽ()ノ ワチョーイ

 

というよりは冒頭にも書いた通り、本気だった事に驚いた。

 

振り返ってみればこのゴトーとは、なんとも不思議な因縁というべきか変な関係だった。小学校低学年の時は、もっぱらにゃべがゴトーを虐めて遊んでいたのが、いつの間にやら隣町に転向してしまい、中学でまた再会。しばらく見ない間に「神童にゃべ」を脅かすようなライバルにまで成長しながら、またまた1年で新設の中学へと転出していった。と思いきや、二年後に三度『A高』で再会して、相まみえた。

 

今度は、復讐に燃える(?)ゴトーが様々な嫌がらせを仕掛けて来たり、マザー&茜のMAコンビには、2人してすっかり翻弄された。またサッカー部では、中学時代のライバル転じて高校では激しいCF争いと、チームメイトとして過ごした毎日・・・実に沢山のことが、思い起こされる。

 

これだけの珍奇な腐れ縁も、世に珍しいのではないか。そんなゴトーだったが、結局は浪人となってしまったようだ (c_,゚`)プッ

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