「田園交響曲」といえば、第1楽章や第5楽章が有名だが、最も美しいのは第2楽章である。
『田園』というよりは、あらゆる音楽の中でも最も好きな曲であり、ここにはモーツァルト以上に天国的な幸せが詰まっている。
ここからは、自然を愛するベートーヴェンの優しい眼差しを感じることができる。
ほぼ同時進行で作成され、同時に初演に掛けられた『第5』が、激しいい葛藤を描写した音楽であれば、この音楽からは自然との対話を基調とした、平穏さが伝わってくる。
第2楽章「小川のほとり」
<小川のせせらぎのような弦の8分音譜の伴奏に乗って、第1ヴァイオリンが長閑で明るい第一主題を歌う。
第二主題も、長閑な流れをそのまま受け継いでいる。
小川は平和に満ち溢れ、人々はそんな気分を満喫する。
展開部・再現部が終わったあと、その平和な田園地帯にやってくる鳥たちの鳴き声が聞こえる。
鶯をフルートが、うづらをオーボエが、カッコウをクラリネットが表す。
実に愛すべき音楽であり、またしてもベートーヴェンの奥の深さに脱帽してしまう>
<木管楽器は4種類だ。
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット。
ピッコロとコントラ・ファゴットを稀に使用する。
コール・アングレも無いし、バス・クラリネットも無い。
ということでベートーヴェンの場合は、かなり原色に近い構成になる。
近現代のオーケストラでも、コール・アングレのような特殊楽器が含まれるわけで多彩な音色を楽しめるが、ベートーヴェンの当時の編成ではやっとコール・アングレが出始めた頃だ。
ベートーヴェンは、4種類の木管楽器を実に効率的に使用する。
フルート/オーボエの独奏は、どんな楽章でも使えるオールマイティである。
フルートの高い運動性能は、急速楽章で効果を発揮する。
交響曲第6番「田園」も、フルートの活躍の場は多い。
フルートとオーボエの二重奏は、その田園情緒を印象付けるために大きな役割を果たしている。
ここではホルンを含めた木管の計10本を、極限までに使いこなした部分を紹介したい。
フルートが、じつにさわやかに主題を演奏するが、その他の楽器が総動員されている。
あたかも、小川や森の様々な印象を総て音で表現してしまうかのような、素晴らしい管弦楽法である。
ファゴット、クラリネット、ヴァイオリンが、静かに細かな上昇音型を演奏するが、これは何だろうか。
『田園』というよりは、あらゆる音楽の中でも最も好きな曲であり、ここにはモーツァルト以上に天国的な幸せが詰まっている。
ここからは、自然を愛するベートーヴェンの優しい眼差しを感じることができる。
ほぼ同時進行で作成され、同時に初演に掛けられた『第5』が、激しいい葛藤を描写した音楽であれば、この音楽からは自然との対話を基調とした、平穏さが伝わってくる。
第2楽章「小川のほとり」
<小川のせせらぎのような弦の8分音譜の伴奏に乗って、第1ヴァイオリンが長閑で明るい第一主題を歌う。
第二主題も、長閑な流れをそのまま受け継いでいる。
小川は平和に満ち溢れ、人々はそんな気分を満喫する。
展開部・再現部が終わったあと、その平和な田園地帯にやってくる鳥たちの鳴き声が聞こえる。
鶯をフルートが、うづらをオーボエが、カッコウをクラリネットが表す。
実に愛すべき音楽であり、またしてもベートーヴェンの奥の深さに脱帽してしまう>
<木管楽器は4種類だ。
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット。
ピッコロとコントラ・ファゴットを稀に使用する。
コール・アングレも無いし、バス・クラリネットも無い。
ということでベートーヴェンの場合は、かなり原色に近い構成になる。
近現代のオーケストラでも、コール・アングレのような特殊楽器が含まれるわけで多彩な音色を楽しめるが、ベートーヴェンの当時の編成ではやっとコール・アングレが出始めた頃だ。
ベートーヴェンは、4種類の木管楽器を実に効率的に使用する。
フルート/オーボエの独奏は、どんな楽章でも使えるオールマイティである。
フルートの高い運動性能は、急速楽章で効果を発揮する。
交響曲第6番「田園」も、フルートの活躍の場は多い。
フルートとオーボエの二重奏は、その田園情緒を印象付けるために大きな役割を果たしている。
ここではホルンを含めた木管の計10本を、極限までに使いこなした部分を紹介したい。
フルートが、じつにさわやかに主題を演奏するが、その他の楽器が総動員されている。
あたかも、小川や森の様々な印象を総て音で表現してしまうかのような、素晴らしい管弦楽法である。
ファゴット、クラリネット、ヴァイオリンが、静かに細かな上昇音型を演奏するが、これは何だろうか。
木々のざわめきだろうか。
そのように想像を逞しくすると、ベートーヴェンに笑われてしまうかもしれないが、各々が何を表現しているかを全く示されなくても、そこに豊かな自然が息づいている様子を克明に記した、実に素晴らしい部分である。
第1フルートは、主題である。
次に第2フルートは、第2クラリネットの合いの手である。
2本のオーボエは、こじつけかもしれないがこの楽章の冒頭近くにある、16分音符による6連符の名残りである。
長閑さを示すことでは、第2クラリネットと第2フルートの上昇/下降と、好一対である。
第1ファゴット、第1クラリネット、第1ヴァイオリンは、空気に充満する森と小川の息吹であろうか。
第2ファゴットは持続音であるが、シンコペーションしている。
このリズムはこの楽章の随所に現れていて、弦楽器による小川のせせらぎを補強する役割を持つ。
楽章全体では、ホルンによる部分の方が目立っているだろう。
残りのチェロとコントラバスは、拍節の区切りである。
この部分の管弦楽法は、まさに完璧だ。
長短取り混ぜた、様々な長さの音符。
スタッカートもあれば、レガートもある。
シンコペーションもあれば、小節を確実に刻む音もある。
上昇音型あれば、下降音型もある。
それほど色々あるのにフルートによる第1主題は爽やかに、ハッキリと聴き取ることができるのだ>
参考※ http://park10.wakwak.com/~naka3/
ベートーヴェンのファンだった、作家のロマン・ロランは
<私は、第2楽章の終わりに出てくる小鳥の囀りを聴く度に、涙を禁じえない。
その時のベートーヴェンには、もはや外界の音が聴こえなかったのだ。
彼は心の中の小鳥の声を、音符に書き込んだのだ>
と書いている。
0 件のコメント:
コメントを投稿