2003/09/03

男勝りの姉御


 にゃべっち属する41組では神童にゃべっちを別格として、ムラカミ君と3人の女子が成績上位を占めていた。

そのうち、にゃべっち、ムラカミ君、香ちゃん、香里ちゃんとともに「五強」の一角を占めていたのが奈津子ちゃんだ。

この奈津子ちゃんとは、どんな子か?

ひと口に言えば、香ちゃん、香里ちゃんに共通するような、どことなくお上品な美少女系ムードとは、まったく好対照なタイプである。

といって、決してブスという訳ではない。

ふっくらしたまん丸い顔立ちは、それなりにチャーミングともいえなくもない。

しかし、それはあくまでも「よく見れば」の話だ。

何しろこの奈津子ちゃんというのは、大変な男勝りの気性の持ち主であった。  

香ちゃん、香里ちゃんとは違いスポーツ少女の奈津子ちゃんは、いつも男か女か見分けもつけにくいほど真っ黒に日焼けしていた。

また、かなりの勉強家らしいのは確かだったが、同じ優等生の香ちゃんや香里ちゃんの「サラリ感」とは違い、なりふり構わぬガリ勉な感じがこの年頃の娘としては、どうにも可愛げに欠ける要因でもあった。

この頃、体育の授業や放課後に流行っていた「ドッジボール」では、抜群の反射神経を駆使して蝶のようなしなやかに舞うにゃべっちが「ドッジの神」として有名だったが、男勝りの奈津子ちゃんが執拗に付け狙ってきたのには辟易とさせられた。

勿論、いかに男子顔負けスポーツ少女とはいえ、そもそもスピードが段違いだから殆ど相手にならなかったとはいえ、あの獲物を狙うような異様な執念には、どの男子生徒にもなかった迫力とともに

「あんなオトコオンナに当てられては、末代までの恥」

と、妙なプレシャーを感じさせられたものだ。

それだけに奈津子ちゃんには一貫して、どうにもいい感情を持てなかったのは事実だった。 

運動能力の高さは女子で群を抜いていただけに、体力に勝る男子に対しライベル心をメラメラと燃やしているようなところがあった。

そんなところが共感を呼んでか、女子の間では「姉御」的な存在として慕われていたが、自分としては「可愛くねーヤツ」と、一貫して好かない女子の代表格であった (_ )" パス

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