2003/11/09

「オレ流」落合監督って・・・



 《プロ野球・中日ドラゴンズの監督、落合氏に決定!》

と訊いた時は

「まさか・・・ 冗談だろ!!」

と、思わず我が耳を疑いました。

日本の球界では、未だに現役時代に実績を残したスタープレーヤーであれば、必ずと言っても良いほどに監督候補として名前が挙がってくる傾向が強くありますが、監督業と言うものはやはり「適正」というものが強くモノを言う役目でしょう。

ご存じの通り、落合氏はロッテに始まり中日、巨人と3球団を渡り歩いてきた現役時代は一貫して「オレ流」を貫いてきた人で、マスコミは何故かこぞってこの「オレ流」をしきりに持て囃していまが、これがワタクシなどにはなんとも理解しかねるところです。

「オレ流」といえばなにやら聞こえは良さそうですが、要するに集団からはみ出しての唯我独尊であり、一人で手前勝手に振舞ってきたワガママな一匹狼が「オレ流」の落合氏です。

勿論、プロであるからには、なによりもまず結果を残す事が第一義であり、その点からすれば(良く噂になっていたように)皆がキャンプで汗を流している間に、一人だけ暢気に温泉などに浸かっていようとも、また「オレ流」などと嘯きながらも結果として三度の三冠王に輝くくらい、抜群の働きを見せてくれるのであればなんら問題はない訳で、まさにそんな離れ業をやってのけていたのが、現役時代の稀に見る天才であった落合氏でもありました。

ワタクシも実は、もう四半世紀以上に渡ってプロ野球の観戦を続けてきていますが、選手時代の落合氏は、それこそバッターとしては指折り数えてなお、お釣りが来るほどの天才打者であったと認める事には、吝かではありません。  

しかしながら「監督」となれば、これはもうまったく次元の違う話であり、果たして「オレ流」の落合氏に監督としての適正があるのかとなると正直、疑問符を付けざるをえないでしょう。

プロ野球で、特にレギュラーを張るような選手ともなれば、それぞれが一癖も二癖もあるようなプライドの塊であり、果たして本人以外には理解不能の「オレ流」などという「勝手流」が易々と受け入れられるものなのか。

ましてや落合氏は、監督はおろかコーチ経験さえまったく皆無という、いわば指導者としては言ってしまえば「ズブのド素人」でもあります。

先にも触れましたが、日本の球界では一流選手としての現役を終えると、遅かれ早かれ監督候補としてほぼ例外なく、その名がマスコミ紙上を賑わせるのが慣例化していますが、それらの存在の中でワタクシの独断では、最も監督業に適していないパーソナリティではないかと思われるのが、したり顔の解説で意外にも人気が高い江川氏と(江川よりは、遥かにマシではあるでしょうが)、この落合氏です。
 
 奇しくもご両人ともに、現役時代から「ゼニゲバ」、或いは「勝手流」としても悪名を轟かせた存在であり、また度重なる唯我独尊の行状からチームでも浮き上がったハナツマミ者としても、しばしばイエローペーパー辺りの紙面を賑わせていたものです。

勿論、それだけのキャラクターであるからには、ご両人ともに「我こそは稀に見る天才!」と満々たる自信を湛えている事でしょうし、実際にその野球理論はそれだけ優れたものを持っているのであろう事は、確かに疑いない事実でもあるでしょう。

それだけに、あまりに高尚過ぎる(?)理論に、意図した通りに踊ってくれない選手に愛想を尽かし、嫌気がさした挙句に何もかも投げ出して中途でトンズラなんて事にならなければよいが・・・などと老婆心ながら、余計な心配もついしてみたくもなります。

ワタクシの描く「落合監督」の、最悪のシュミレーションはこうです。

当初ばかりは、鷹揚なところを見せようとゆったり構えますが、落合氏がイメージするような「オレ流」は到底、凡人揃い(落合氏のレベルから見れば)の選手では理解できず、そうなれば慌てて管理野球に路線変更を試みる事でしょう。  

が、哀しいかな、落合氏自身が管理などとはまったくの無縁だった事もあり、そんな付け焼刃が最初から巧く行くハズもない上に、なにせ

「自分は散々、好き勝手にやって来たくせに」

と言われれば、まったくの図星でもある事から、甚だ説得力にも欠けます。  

そうして万が一トンズラを決め込む場合は、当然の事ながら

「オレのイメージ通りに選手が踊ってくれたら、楽に優勝出来ていたハズなんだが、なにせ選手のレベルがお粗末過ぎて話にならんかった」

というくらいの捨て台詞の一つや二つは残して、去っていく事は目に見えるようです。

勿論、これは考えうる限り最悪のシナリオであり、実際にここまで酷い事になる可能性はまずないでしょう(というか、あっては困ります)し、常識的に「オレ流」なんてものが通用するほど甘い世界ではないとは思いますが、勝負の世界だけはそれこそ蓋を開けて見なければわからないのは、誰もが予想しなかった今年の阪神の「まさかの優勝」を引き合いに出すまでもない事でしょう。

いずれにせよ「オレ流・落合監督」によって、中日というチームがどう変化を遂げていくのか、見ものではあります。

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