引っ越しで最も面倒なのは、なんといっても電話の移動である。
ベンダー認定技術者の資格取得のためのWeb教材(2種類=約15万円)を購入し、インターネットの環境を整えたのは、2000年の事だった。
当初は固定電話を引いておらず、電話と言えばPHSしか使っていなかったため、インターネットをするために1万円近くの大枚をはたいて、エッジ専用のネットワークカードを買ってきて繋いでいた。
が、これでは通話料分の接続料金が嵩んでしまうため、到底落ち着いて学習に打ち込める環境とは程遠い。
そこで、仕方なくネットCaféを利用していたが、当時はまだネットCaféも勃興期で料金設定も今のように安くはなく、少し学習に興が乗ってくると直ぐに1000円くらいまで行ってしまう頃だった。
そのため、ネットCaféの月額支払い額だけでも軽く2万程度は超えてしまうことなり、こんな事ならばいっそ自宅に常時接続の環境を作った方が、長いスパンで見れば遥かに安上がりに済むだろうと考え、ようやくのことで電話を引く事にしたのである。
といっても当時は、まだ「常時接続」といえばISDNくらいしかなく、ISDNの64KB(技術的には2回線分を束にする事で、倍速の128KBは可能)が「高速接続」と言われた時代だったから、このISDN回線を引きフレッツ接続の環境を整える。
元々、部屋にある電話回線は従来のアナログ用回線のみだから、これをISDN用に変えるための工事やら初期費用やらで、結局3万円ほどが掛かった。
ところが、そうしてやっとの思いでISDNの環境が整ったと思いきや、あたかもそのタイミングを狙ってでもいたかのように「フレッツADSL」(当時2MBくらい)が登場してきたのだ。
しかも、月額料金設定も64KBのフレッツISDNと殆んど変わらないのだから、これではまるでサギに遭ったようなものである。
といって、工事をしたばかりで再度ADSL回線に戻すために、またしても大金を取られるのは業腹なのでISDNで我慢していたが、そのうちに世の中の主流がADSLやケーブル接続に移行していくに伴い、とてもISDNの環境には我慢ならなくなって来る。
ちょうどそんなタイミングで、仕事の関係から引っ越す事になり
(これで、ようやくADSLに代えられるか・・・)
とホッとしたのも束の間、引っ越し先は調査の結果・・・
「光収容の地区に指定されており、ADSLを引くことは出来ません・・・」
という、思っても見なかった悪夢に見舞われる事に・・・
そこへ住む期間は、僅か3ヶ月ポッキリと当初からわかっていたので、大枚をはたいて光やケーブルを引くわけにもいかず、またしてもフレッツISDNの契約をしなくてはならない事態となった。
しかも輪をかけて腹立たしいのは、その頃には競争の激化していたADSLの料金設定がグングンと下がっていき、遂には(計算上は)30倍以上も遅いISDNよりも月額料金が安いという、なんとも許し難いねじれ現象が起きていた事である。
フレッツISDNに加入した当初は、ISDN回線及びDSU内臓TA(ターミナル・アダプタ)のリース料と通信料金を併せて、基本料金が月額で8500円くらいしていた(勿論、電話料金は別)
その後、少しずつ何度か値下げして、ADSLに変える直前には6600円くらいまで下がってはいたが、それでもフレッツADSLの電話回線及びモデム・スプリッタのリース料と通信料金を併せ、6000円程度のADSLの方が安いのである。
勿論、ISDNというものは1回線で2台の電話が使えるから、電話とファクシミリを兼用したりというようにADSLには不可能な芸当が出来るメリットはあるが、そういったものは一切使う事のないこちらとしては、何とも無駄な事この上ない。
しかも失職中にフレッツを導入したからといって、1日中家に閉じ篭もって学習をしている訳にはいかないのは、近所に住んでいた小煩いオバタリアンの目がピカピカと光っていたがためで、平日の殆んどは勤め人のように朝9時前には家を出て、日が暮れてから帰宅するという生活スタイルを余儀なくされていた。
そのため、日中はやはりネットCafeで過ごすハメになり、月額2万円は変わるところがなかった。
その上にフレッツ使用料約1万円をプラスした月額通信費は、およそ3万円くらいは掛かっていた計算である。
ともあれ、引っ越し先で3ヶ月間(正式には途中でPCを運んだため2ヶ月半)我慢をした後で、元の住居に戻ったのを契機にADSLに変更するようNTTに伝えると、例によって話のよく通じない上に至って態度の悪い担当者が、電話に出てきた。
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