2004/03/07

鷹峯(世紀末の紅葉part1)


京都観光の代表的なコースといえば、東山と嵐山だ。東山は清水寺を筆頭に、八坂の塔高台寺圓徳院(高台寺塔頭)八坂神社円山公園を抜けて知恩院青蓮院と錚々たる寺院が並ぶ。さらに京都駅の方に戻れば、智積院三十三間堂蓮華王院までも、充分に歩ける距離である。

一方、嵐山コースは東山に比べ大寺院は少ないものの、京都有数の観光地である渡月橋を筆頭に、京都を代表する大寺院である天龍寺を始め、大覚寺清涼寺二尊院常寂光寺、少し足を伸ばせば化野念仏寺などもある。

京都観光というと、必ず真っ先に挙げられるこの「東山」、「嵐山」コースだが、実は「衣笠(きぬかけ)」、「岡崎」コースもこれに匹敵する観光名所が目白押しだ。

衣笠(きぬかけ)コースは、金閣寺を筆頭に龍安寺御室仁和寺妙心寺退蔵院(妙心寺塔頭)北野天満宮という実に錚々たる顔ぶれであり、太秦の広隆寺も近い。

また「岡崎」コースの方も、銀閣寺から哲学の道を通って永観堂南禅寺、京都市美術館、京都御苑そして平安神宮と大寺院や見所が目白押しである。

さらには「洛北コース」もある。大原三千院を筆頭に、寂光院鞍馬寺貴船神社由岐神社、そして少し足を伸ばせば比叡山延暦寺へと続いている。

また紅葉の時期は、嵐山からさらに山を入ると高尾槇尾栂尾で形成される有名な「三尾」のコースもある。

このうち、東山、嵐山、衣笠、岡崎の4コース(プラスその周辺)は何度も足を運び、春の桜と秋の紅葉ともに既に何度か観光していた。

紅葉の時期は「三尾」に行きたいのはヤマヤマなのだが、なにせ遠く交通の便も悪い。観光案内で聞いたところによると、通常であれば京都駅からバスで1時間程度ということながら、紅葉のシーズンは渋滞が酷く2時間半~3時間は掛かるということだった。

ということは、京都に9時に着いてすぐにバスに乗れたとしても、目的地に着くのは昼過ぎになってしまい、神護寺の400段の階段を上がったり3つの山を登って観光するのに34時間というスケジュールは、かなりタイトである。そこへ想像を絶する混雑という悪条件も加わるから、大変な難行苦行を強いられることは間違いない。

そのような事情から、食指は大いに動きながら毎度先送りにして来たのであるが、この回も例に漏れず候補から外れた。

三尾に比べれば「大原コース」は遥かに攻略しやすいのが実際だったが、観光案内で聞いた話では、同様に「通常寺の23倍の時間が掛かります」との説明からしばらく勘違いが続いたせいで、これも後回しとなった(実際には、もっと楽に行けるルートがあった)

この場合、単に交通機関の網が発達していないという問題ではなく、あくまで道路の渋滞だから、仮に自前の車で行っても条件は同じであり、また京都の観光地の駐車場事情の劣悪さを考えると、バス以上の困難が予想された。

そうした事情を背景として、候補地として浮かび上がってきたのが「鷹峯コース」である。嵐山、東山、或いは衣笠、岡崎や三尾、大原などのように有名な観光コースとは言い難く、またそれらに見られるような大寺院こそないとはいえ、実はこの「鷹峯コース」には紅葉の名所が幾つかあり、かねてから密かに目をつけていたのである。

京都の観光本などを見ると「鷹峯・大徳寺」というコースでひとくくりにしてあることが多い。大徳寺といえば、24もの塔頭寺院を抱える京都を代表する大寺院というのみならず、学生時代に近くに下宿していたため、今回はコースから外した。

目指すは、鷹峯である。京都駅から地下鉄烏丸線で北大路まで行き、バスで鷹峯に到着した。

<鷹峯は、京都盆地北西端に臨む丹波高地南麓に発達した古扇状地である。紙屋川に沿って京都から周山(しゅうざん)に通じる街道の起点で「京の七口」の一つの長坂口にあたり、丹波や若狭からの物資の集散地をなした。

また本阿弥光悦が徳川家康から土地を与えられ、一族を率いて居住した所で、光悦寺はその菩提寺である。吉野太夫ゆかりの常照寺もある。

京都市街を遠望できる高燥地で、近年高級住宅地として開発が進んでいる>出典 Wikipedia

バス停を降りて、少しブラブラする。市内の中心部から少し外れたせいか、空気が旨く感じた。

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