交響詩『海』 第3楽章「風と海の対話」
(Dialogue du vent et de la mer)
子供の頃から海が大好きだったドビュッシーは、飽かずに眺めていたばかりか若い頃は船員になる憧れを持っていたくらいに、海への造詣は並々ならぬものがあったという。
ところでClassic音楽の場合は、演奏家または演奏者によって同じ曲でもガラリと様相が変わってしまうのは、どんな名曲にも共通して言える事だ。この曲にも、それぞれの解釈に基づいた『海』がある。
大きく二つに分けると
・ 雄大で荒々しい自然のダイナミズム表現した「海」
・穏やかで上品な自然の美しさを表現した「海」
個人的には、あまりこじんまりと纏まった「美しい湖」のようなスマートな演奏では、ダメだと思う。「海」というからには、やはり美しさ以上に荒々しい自然への畏敬やダイナミズムを秘めたものでなければならず、それに相応しい表現力が求められる。この辺りは指揮者の解釈で大きく変わってしまうだけに、上級者なら色々な演奏を聴いて自分の好みに合ったものを見つけるという楽しみもあるが、初心者が最初にイメージに合わないものを選択した場合、曲自体に馴染めなくなってしまうことが往々にしてあるため、演奏家選びには一層の慎重さを要するところである。
作曲者の真の意図となるとスコアを見て解読しなければならないが、これは現実として難しいから、あくまで自分の好みにあった演奏を選べばよい。
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