2004/05/05

ドヴォルザーク 交響曲第8番(第3楽章)






 《メロディーメーカーと言われるドヴォルザークですが、ここで聴くことのできるメロディーの美しさは出色です。おそらく一度聞けば、絶対に忘れることのできない素晴らしいメロディーです。

このメロディーに初めて出会ったのは、車を運転している時でした。いつものように、NHKのFM放送を聞きながら車を走らせていました。おそらく何かのライヴ録音だったと思います。第2楽章が終わり、お決まりのように観客席の咳払いやざわめきが少し静まったころを見計らって、第3楽章の冒頭のメロディーが流れはじめました。その瞬間、ラジオから流れる貧弱な音でしたが耳が釘付けになりました。

それは今まで聞いたことがないような、この上もなく美しくメランコリックなメロディーでした。その頃は、クラシック音楽などと言うものを聞き始めて間もない頃で、次々と新しい音楽に出会い、その素晴らしさに心を奪われると言う、本当に素晴らしい時期でした。そんな中にあっても、この出会いは格別でした。  

実は車を運転しながら何気なく聞いていたので、流れている音楽の曲名すら意識していなかったのです。第4楽章が終わり、盛大な拍手が次第にフェイドアウトしていき、その後アナウンサーが「ドヴォルザーク作曲、交響曲第8」と読み上げてくれて、初めて曲名が分かったような次第です。

翌日、すぐにレコード屋さんに飛んで行ったのですが、田舎の小さなお店ですから

「えぇ、ドヴォルザークって9番じゃなかったですか?」

などと惚けた事を言われたのが、今も記憶に残っています。クラシック音楽を聴き始めた頃の、幸せな「黄金の時代」の思い出です》

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