2004/05/28

相性(中学生図鑑part14)

 中3に進級した、にゃべ。いよいよ高校受験の年を迎えたわけだが、学区トップの『A高』への推薦を疑ってもいなかっただけに緊張感はまったくなく、他の学生らにも受験の緊張感のようなピリピリしたムードは、あまり感じない気がした。

9年間、同じ校舎に学びながら、来年からはバラバラになる友達らとの最後の年となるだけに、寧ろ学生らの関心事は最後のクラス替えであったろう。にゃべと同じ1組には、例によってムラカミ、マサ、シモッチといった、お馴染みの顔ぶれが揃った。

小学校からの9年間を通算して、ムラカミと同じクラスになるのは実に6度目だ。さらにマサとも5度目、シモッチとも4度目だから、この3人とは余程縁が強いらしい。逆にイモとオグリとは2度しか同じクラスになれず、ヒムロとも幸か不幸か終ぞ同じクラスになることはなかった。

一方、女子の方は期待した千春や香、或いは美佳とは総て別クラスとなり、大いにガッカリ。そんな中で救いは、小夜子と同クラスになったことである。

「オ~、また一緒になったなー」

と喜び合うカルテッドだったが、そんな中にゃべの視線の先は、懐かしい小夜子の姿を捕らえていた  ( ;_)ジーーーッ

小学5年生以来、4年ぶりの同クラスであり中学生となってからは初めてだ。 さすが中3ともなると、以前見ていた時とは比較にならないほど女らしさを増した小夜子である。相変わらずの抜けるような色白の肌、サラサラした綺麗な髪、そしてスリムな体にセーラー服姿がよく似合った。

このサラサラの髪に肌の白さが涼しげで、健康的な年頃の娘らしさを発散しているところなどは千春と同様といえた。すっかり大人の成熟を思わせる肉体的な色気に加え、男を挑発する魔性の術に長けていた早熟なセクシー派の千春に対し、小柄な小夜子の方はまだあどけなさを充分に残し、いかにも育ちの良さを感じさせるようなおっとりした挙措が、千春とはいわば好対照の魅力だ。

とはいえ、以前に親しく会話を交わした小5時代から、4年の歳月の経過は大きい。また小夜子そのものが、千春のような明け透けに馴れ馴れしく接してくるタイプではないだけに、親しくなるようなチャンスは一向に訪れず、ヤキモキするばかりであった。

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