1学期、級長選。例年ならすんなり選出されるところだったが、この年に限ってはそうなっては困る事情を抱えていただけに、またしても悪どい裏工作を画策した (*Φ皿Φ*)ニシシシシ
女子で選出が確実視される奈津子は、いつの間にか小学生時代はかけてなかった眼鏡を掛け、一層ガリ勉風の印象が強調されていた。ソフトボール部の主力として活躍するうち、真っ黒に日焼けしたその顔は相変わらず男かと見紛うばかりだが、小学生時代からの威光か女生徒のみならず、なぜか男子生徒の間でも結構な人気とともに、信頼が寄せられていたようだった。
子供の頃から人の好き嫌いの激しかったにゃべっちは、奈津子との級長コンビだけはどうしても避けたい意向が強く、我ながら(子供じみてるなー)などとは思いつつも小学5年時代の成功で味を占めた、あの裏工作を再度画策したのだ。
そこで白羽の矢を立てたのは、勿論この男をおいて他にないというムラカミだ。幸いなことに、このムラカミなら人気に関してだけは、にゃべには大きく見劣りはするものの、それ以外の級長に必要な人格・力量ともに、まったく遜色のない(というよりは、適正では彼の方が上であることは間違いないくらいの)唯一の逸材だけに、どこからも文句の出ようはずはなかった。
まったく、この上なくありがたい友なのである。
「という訳でムラよ・・・工作は万事こっちでやるから、また頼むぜ・・・」
「なにが 『という訳で』じゃ。人様を利用することばかり考えやがって・・・」
と呆れながらも、そこは秀才ムラカミだけに、単なるお人良しではないから彼の方でも深慮遠謀を企んでいた。
「まあ、好きにやってろ・・・」
と鷹揚に構えて見せた裏には、これをタネにしっかりと下心が隠されていた。
早速
「3ヶ月間の下校時鞄持ちと、もう一つ今年中に何らかの権利行使を考えておく」
という、キツイ条件を持ち出したムラカミ。が、よくよく考えれば「下校時の鞄持ち」とは言っても、クラブの違う2人の下校時間はまちまちだから、実際にはテスト期間くらいであるし、もう一つの「なんらかの権利行使」に関しても、親友の事だから名目だけで大した要求が出てくるはずはなかったが、聡明な彼としてはこちらが断れないのを承知の上で、脅しをかけておくのが目的だったと思われる。
そもそもクラスのメンバーを見た時点で、彼には最初からこうなる事はわかっていたはずだったから、当初からこの展開を見越して(しょうのないヤツだ・・・)と、すっかり腹を括ってようであった。
かくして天下晴れて、裏工作に邁進したにゃべ。その影響力は最早小学生時代の比ではなく、目論見通りいつかと同じ「ムラカミ&奈津子コンビ」の級長が、正式決定をみた ( ´艸`)ムププ
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