名古屋の夏は暑い。
最高気温が30℃を超える日は「真夏日」と言われるが、7-8月の名古屋ではこの真夏日となる30℃を超えない日など滅多にない、と言って過言ではない。最高気温が35℃を超える「酷暑日」も珍しくはなく、7月後半から8月半ばに掛けてのピーク時には、体温を超える37-8℃を記録する日も決して稀ではない。天気予報で全国の最高気温などを見ていると、真夏の名古屋はお隣岐阜県と全国トップを争う、暑さの最も厳しい立地と言えるだろう。
最高気温が30℃を超える日は「真夏日」と言われるが、7-8月の名古屋ではこの真夏日となる30℃を超えない日など滅多にない、と言って過言ではない。最高気温が35℃を超える「酷暑日」も珍しくはなく、7月後半から8月半ばに掛けてのピーク時には、体温を超える37-8℃を記録する日も決して稀ではない。天気予報で全国の最高気温などを見ていると、真夏の名古屋はお隣岐阜県と全国トップを争う、暑さの最も厳しい立地と言えるだろう。
かつてある営業マンから、こんな話を聞いたことがある。
「私は元々、生まれも育ちも神奈川なんですが、数年前に大阪に転勤になりまして・・・いやー、大阪の暑いのには参りましたが、今度は名古屋に転勤になりまして・・・やっと暑い大阪から出られると喜んで名古屋に来たのですが、いやー暑いの何の。名古屋も、大阪に負けず暑いですねー」
「で、どっちが暑い?」
「う~ん、大阪も暑かったけど、やはり名古屋の方がより蒸し暑い気が・・・」
と、今にも死にそうに顔を歪めていたものだった。
またある現場では、東京から転勤になって来ていた若者も
「しかし、名古屋って暑いですねー。話には聞いてはいましたが、実際ここまでとは・・・体が持つかどうか心配ですー」
と嘆いており、地元の先輩連中から
「オイオイ・・・ 今(6月後半)から、そんなこと言ってて大丈夫かー」
「えー!
これでも、まだまだって・・・まじっすかーーーー」
と悲鳴を上げていたし、また実際に別の現場に来ていた人も口を開けば 「名古屋って、なんでこんなに暑いのー」などと喚いていたっけ。
「今年は冷夏といわれているし、こんなのまだまだマシな方だと思うけどなー」
「えー?
これで冷夏って・・・嘘を吐くなー」
実際この年は記録的な冷夏といわれ、地元の人間にはかなり過ごしやすく感じられたものだったが、それでも
「これが冷夏なんて、バカいうなって・・・」
と絶対に信じなかったくらいである。
そんな、暑い夏のヒトコマ。その夏もギラギラと太陽が照りつける厳しい暑さの中、街頭で配布されていたなにかのPRのウチワが手放せなかったが、そんな暑い最中に面接が入った。
その日も、例によって35℃を超える厳しい酷暑であり、不要なバッグは暑苦しさに拍車をかけるだけでなく邪魔になるため、愛用のウチワだけを手に紹介元の会社を訪ねると
「いやー、暑いですねー。
ウチワですか・・・ハハ」
と担当営業は、盛んにウチワに視線を走らせていた。
「今日、これから客先面接なんですが、にゃべさんバッグは・・・?」
とウチワが気になるように、何度も視線を走らせる営業マン。
「バッグは、持ってきてませんが・・・」
「そうですか・・・そうなると、そのウチワは・・・」
「( ´Д`)はぁ?
ウチワが、どうかしましたか?」
「いや・・・そうやってると、ウチワが目立ちますねー」
「目立つもなにも・・・暑いんだから仕方ない」
「そりゃまあ、ハハハ・・・」
と、なにやら渇いた笑いを笑った  ̄m ̄ ふふ
そうして二人で取引先の会社を訪ねると、出てきた太った営業マンが、またしてもウチワに目を留めた。
「いやー、今日も暑いですねー。おや・・・そのウチワは、どうしました?」
「どうしましたとは・・・?」
「ウチワだけ持って来たと・・・?」
「暑いもので・・・」
「ホーホー・・・今から客先へ行きますので、なんなら預かっておきましょうか?」
というよりは「置いて行ってくれ」という口調は明らかだった。
「いや、結構です。道中、暑いでしょうから・・・」
「しかし・・・」
と尚もブツクサと言う太った営業を促し、客先へと向かう。こう書くと、あたかもいかがわしい画像かアニメのキャラクターなど、なにかトンデモナイ絵柄のウチワを持っていたのかと思われるかもしれないが、実際に持っていたウチワは何の変哲もない、地味なデザインのありきたりの物なのであった。
それだけに
(なんでウチワくらいの事で、こうまでゴチャゴチャと言われ続けにゃならんのか・・・)
と次第にアホらしい気分になり、ヒネクレ者としては逆に
(こうなりゃ、意地でもこのまま最後のクライアントのところまで、持って行ってやるわ)
という嫌がらせのような、妙な気持ちになっていた (`ー´)イヒヒ
先はまだまだ長く、次に待っていたのはもやしのように痩せた、青びょうたんのような青年だった。その青びょうたんに連れられて行った先は、まだエンドユーザーからは遠く、待ち合わせ場所になっていた喫茶店には、60くらいの年配の「社長」が待っていた。
初対面の挨拶から一通りのヒアリングを終え間が出来ると、青びょうたんがいらぬお節介を始めた。
「それでですね・・・社長・・・ウチワに関して、問題はないんでしょうか?」
「ああ、ウチワね・・・暑いからなー」
最初から視線を走らせてはいたものの、さすがに年の功か
「にゃべさんは、扇子は使わないの?」
と、上手くかわして来た。
(扇子なら問題ないのか?)
と腹の中でせせら笑いつつ
(たかだかウチワのひとつで、ここまでゴチャゴチャ言われるとは・・・暑くてウチワくらい使って、何が悪い。そんな事で文句を言うようなケチな相手なら、こっちの方から願い下げじゃ)
と腹の中の怒りを見透かしたか、結局このジイさんからは深く追求される事なく、あてつけがましく(?)盛大にウチワで扇ぎながら、クライアント先へ向かって行った パタパタ (("Q_(; ̄∇ ̄)-3
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