≪モーツァルトはクラリネットの音域による表情の変化、そしてダイナミックレンジの広さ(特に小さい音)をシュタードラーの演奏から鋭く感じ取り、その特性をじつに効果的に楽曲の中に取り入れています。弦楽とのアンサンブルの中で、クラリネットは自由奔放にその表情を変化させます。明るく澄み切った音色で主役を演じることもさることながら、時には合いの手を入れ、時には対話し、時には調和し、そして裏方までこなします。この七変化のような表情や役回りの変化が、音楽の深みとアンサンブルの妙を生み出しています。他の管楽器と弦楽との関係では考えられない、実に濃密で豊かな演出がなされているのです。このことが楽器の好みを超越して、この作品のファンをたくさん生み出している所以ではないでしょうか≫
第4楽章
変奏曲のフィナーレを含め、この曲を聴くと静けさの中の満ち足りた空気に包まれた秋の日の黄昏を思わずにはいられない。
「今日の我々は、モーツァルトのように美しく書けなくなってしまった。我々にできるのは、ただ彼が書いたのと同じくらい純粋に書くように努めることだ」(ブラームス)
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