2004/04/15

マチャ劇場(中学生図鑑Part9)


 『B小』には、全生徒に睨みを効かせるようなガキ大将は存在しなかったが、それに近い存在をあげるならタコとマチャの二人だ。

タコは、典型的な悪童タイプ。『B中』での2年生くらいからは、次第にツッパリの番長格へと伸し上がっていくが、小学生時代にはにゃべっちの遊び仲間だったウラ番格のカツノリと、ウラスケ番のキョ-コ&ノリコを含めた4人は(『C小』分割後の)、いずれも出来が悪く典型的な落ちこぼれだった。

通常ツッパリ学生というのは、一般社会におけるヤクザ者が堅気にはあまり手を出さないように、学校では真面目な学生とは付き合わないものだが、タコの場合はそうした「普通のツッパリ」とは些か趣を異にし、持ち前の社交的な性格を生かして、誰とも仲良くしていた(ただし大半は、後難を恐れて仕方なく付き合っていたというのが、本音だったろうが)

にゃべは、タコとはそれまで1度も同じクラスになった記憶はなかったが、中学2年で同じになるやたちまちにして何故か気に入られてしまい、適度に付き合ってきたが

(やっぱり、コイツはオレとは人種が違うな・・・)

と感じる事が間々あり(弱い者イジメなど)、決して心から気を許せるような友ではないと見切って、適度に距離を置いていた。

そこへいくとマチャの方は遥かにまともで、充分に心を許せる間柄である。マチャの方は、成績がクラスで45番手とまずまず良くデキた上に、にゃべやオグリよりも更に上を行くスポーツマン。おまけに腕力の方も相当に強く、見るからに逞しそうな面構えからしても、男らしい学生のサンプルのような存在である。

小学生の頃までは、まだ児童個々の個性が見え難い事もあり、成績の良い子やケンカの強い子から順になんとなく序列のようなものが出来上がっていたが、中学生になるとオグリのようにスポーツに秀でた者や、シモッチのような芸術的な才能に優れた者など、各分野において抜きん出た者が自己主張を始めることで、幼い日の序列など何の役にも立たなくなってくる。

そういった状況に対応してか『B小』時代は、それなりにデカイ顔をして睨みを利かせていたマチャも、中学ではヒョウキンな三枚目を演じる仕儀に至り、いつの間にやら悪友トリオやシモッチ、オグリらとも親しさを増していった。

「スズキ」という姓は、大抵どのクラスにも2人か3人、多い時は56人もいたが『B小』時代から「スズキ」という姓を訊いて誰しもがまず真っ先に思い浮かべるのが、どの女学生と比較しても負けないにゃべと並ぶ美貌の持ち主であり、また成績もムラカミとともに長らくにゃべっちに次ぐ不動のトップ3を占めていた秀才のマサであり、次いで頭に浮かぶのは存在感は人一倍のマチャであった。

 マサとマチャは、名前こそ「スズキマサ」まで読みが同じだが、クラス一小柄で童顔にして、女生徒顔負けの美貌を持つマサに対し、大柄で生まれながらのスポーツマンらしい、骨太のガッシリとした体格と大人っぽい精悍な面構えに加え、見るからに腕力にも優れていそうなのがマチャと、色んな点で好対照な2人であった。

『B小』時代からの2人の共通点といえば、勉強が良くできる点か。マサの方は、ご存じ学年トップ3の悪友トリオの一角を占め、対するマチャの方はそれに比べればヒケは取るものの、それでもクラスでは45番手辺りだから、まずまず上位である事は間違いない。

三たび同じクラスとなった中学2年のこの年は、早々に席が近くとなった事も大きく作用したのだろう。その席順では、お気に入りの美少女・美佳を間に挟む形で、斜め前の位置にマチャ、にゃべの後ろにはマサとムラカミが前後に並ぶという、絶好の配置となったからたまらない。授業中も教師の目を盗んでは、これらの面々が私語を飛び交わすのに忙しかった ( *^艸^)ムププ

0 件のコメント:

コメントを投稿