オーケストラによるたった2小節の序奏に続き、有名な第1主題がソロヴァイオリンで登場する。この「序奏がたった2小節」というのは、当時はかなり斬新なことだったらしい。この哀愁を帯びたちょっと感傷的な第1主題のメロディは、一度聴いたら忘れ難いものである。さらに新機軸として、通常は再現部の後に登場するカデンツァが再現部に入る前に置かれている。これはしかもソリストの自由に任せるのではなく、すべて楽譜に書かれたものである。フィナーレはフルオーケストラで盛り上がった後、ファゴットだ
けがブリッジとなって第2楽章へとそのまま続いていく。
参考 http://www.oekfan.com/
古今東西に数あるヴァイオリン協奏曲の名作の中でも「四大」に数え上げられるのは、以下の通り。
・ベートーヴェン『ニ長調』
・メンデルス
ゾーン『ホ短調』
・ブラームス『ニ長調』
・チャイコフスキー『ニ長調』
ドイツでは、チャイコフスキーの代わりにブルッフの『第1番ト短調』が入ったり、或いは一般的にチャイコフスキーを除外して《三大ヴァイオリン協奏曲》と称される事もある。
この中では、ベートーヴェン『ニ長調』が《ヴァイオリン協奏曲の王様》と称されるのに対し《ヴァイオリン協奏曲の女王》と称されるのが、メンデルスゾーンの『ホ短調』だ。Classicファンの間で『メンコン』の愛称で親しまれる曲である。メンデルスゾーンには、
もう一つのヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲もあるが『メンコン』と言えばこれを指して言うくらいに、飛び抜けて有名なのだ。
同じ「三大」のベートーヴェンやブラームスの曲が、どちらもオーケストラをじっくり鳴らせた後で、3~5分も経過してからようやく主役のヴァイオリンが、おもむろに悠然たる形で登場してくるようなスケールの大きい曲であるのに対し、この『メンコン』の方は有名な愁いを帯びたヴァイオリンの旋律が冒頭いきなり現れ、冒頭から惹きつけられてしまうところが魅力的である。
Classic音楽にまったく興味のない人でも、恐らくはこの冒頭の旋律は必ずどこかで聴いた事があるはずだと断言できるくらい、有名なフレーズである。
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