2004/04/28

SFに熱中

 大学3年生となった兄マッハが、夏休みに下宿先の東京から2年ぶりに帰宅した。夜行性のマッハらしく夜遅くになって何の前ぶれもなく、いきなり来たのには家族もビックリ。しかも、家の中でも黒サングラスを掛けたままという、異様ないでたちだった。

「なんで家の中で、そんな黒眼鏡などかけておるか!」

なにかとブツクサと煩い頑固オヤジから逃れるように、にゃべの部屋へと乗り込んできたマッハ。元々にゃべよりは、姉ミーちゃんと波長の合うマッハだったが、さすがの奇人マッハも高校生となったミーちゃんの部屋に乗り込むのは躊躇われたか、おかげで被害を蒙ったのはにゃべだ。

夜中までステレオをガンガン鳴らすため、寝られない。マッハに勧められ、生まれて初めて煙草に挑戦したにゃべが、その苦さに咳き込むのを見て小気味よげに笑うマッハ。

「東京は、面白いとこだぞ~。やはり何をやるにしても、東京が日本の中心だからな~。オレは商売なんぞはやらんから、オマエがオヤジの後を継いでやってくれ」

子供の頃から「商売人やサラリーマンなどは御免蒙る」と宣言していたマッハは、作家を目指し猛烈な勢いで読書三昧の日々を送っているとかで、大学在学中に3000冊の本を読破したという栗本薫(中島梓)の大学生活を理想として掲げていた。

この当時、マッハが凝っていたのが専らSFで筒井康隆を始め小松左京、星新一、平井和正、栗本薫、夢枕獏などを濫読していたらしい。このマッハに刺激される形で、筒井康隆を読破するや小松左京、星新一と手を伸ばすと中学時代に殆どを読破。続けて平井和正の「ウルフガイシリーズ」、「アダルトウルフガイシリーズ」や夢枕獏の「魔獣狩りシリーズ」に熱中するなど、次第にSFワールドに嵌っていくことに。

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