《第3戦 阪神2ー1ダイエー(阪神サヨナラ勝ち》
ダイエーが地元福岡で2連勝して、迎えた第3戦。
舞台は、いよいよトラキチの待ち構える《甲子園》へと移った。
あの第2戦でのダイエーの圧倒的な打線の物凄さばかりが印象強いだけに、風見鶏の評論家諸氏はここぞとばかり
「ダイエー圧倒的有利」
と言い始めたが、この《甲子園》でやる野球だけはやってみなければまったく予測が付け難い、とワタクシは前から言っていたのである。
そして、ズバリそのワタクシの予言通り、一転して白熱した投手戦となっていく。
さすがに3戦目ともなると、内容的には過去2戦とは比較にならないほどに、密度の濃い攻防が繰り広げられる中、ダイエーがやや押し気味にゲームを進めながらも肝心なところでのあと一本に欠け、ピーンと張り詰めたような緊張感のある投手戦が続き、第1戦に続いて早くも2度目の延長戦に突入する。
これも前から言っているが、Gファンのワタクシにとって阪神は憎い敵であり、ワタクシの応援するのはあくまでダイエーである。
しかしながら、この試合にダイエーが勝てば3連勝となり、シリーズの行方はほぼ決したようなものだから、それではあまりにもつまらないという思いと同時に、万一このままダイエーに一方的にやられるような結果になれば、枕を並べてこの阪神にコテンパンにやられつづけた巨人を始め、(阪神に勝ち越した)中日を除くセリーグ4チームは、改めて大恥を掻く羽目となるのである。
延長に入った時点で
(これは、阪神得意の展開だな)
とある程度、阪神の勝ちは予測できた。
が、あまり評判の良くなかったダイエー中継ぎ、リリーフ陣をなかなか攻略できない阪神には、どうも勝てる要素が見当たらない。
シーズン中はあんなにも強かった阪神が、このシリーズでは僅か1勝が出来ずに、こんなにももがき苦しんでいるのである。
繰り返すが、ワタクシは今年の阪神は嫌いである。
デリカシーに欠けるようなあの阪神ファンも嫌いなら、高校野球のようなダサい応援も嫌いだし、ジェット風船なんぞを飛ばして悦んでいる連中も、まったく「アホの極み」というほかはない。
ワタクシの脳裏に、密かに期待した
「阪神4連敗」
のシナリオが、着々と現実になりつつあるのをこうして目の当たりにすると、不思議な事に何故かかつての職場の同僚であった、大阪からの出向チームの面々やら関西在住の知人、或いは旅先で見かけた誰とはわからぬ関西弁の気の良い兄ちゃんやらオッサンやらの、阪神に寄せる哀切な思いが何故か訴えかけ酔った頭が一瞬、不覚にも阪神ファンに感情移入してしまった。
そうして我に返ると、まるで日本一を決めたかのようにホームベース上でお祭り騒ぎ繰り広げる、縦じまのユニフォームが無数に小躍りしているではないか。
見上げれば空には色とりどりのゴム風船が、阪神ファンの異様なまでの執念が乗り移っているのか、まるでそれ自体に生命を吹き込まれたかのように空高く、喚起の舞を舞っている。
ようやく出番がやって来たワイ、と言わんばかりのしたり顔で登場した星野が、例によって独演会を始めんばかりの勢いで喋り始めたTV画面を眺めながら
「まあ、これで面白くなってよかったじゃないの」
と、何故か妙にホッとしてしまうのであった (;^。^
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