2003/10/11

ダイヤモンドの原石(ラッキーボーイpart5)


 「なんか充分なフォローが出来ずに、申し訳ないわ・・・私も最初のうちの取材で少しは思うところはあったけど、こんなに直ぐに来るとは思ってなかったし、徐々に改善していくものだと期待していたから・・・」

 「・・・」

 「それで・・・こうしてアナタにここに来て貰ったのは今の話もだけど、これからの話をしたいから、というのもあるんです」

 「これからっても、もう終わったんでしょ?」

 「T社の件に関しては、アナタもそこまでしてやれないというのなら、それはそれででいいと思うのよ・・・ただ、さっきのはあくまでT社の意見であって、私の意見は違うの・・・」

 「・・・」

 「私はT社よりはまだ、これまであなたの事を見てきている分、人間性なんかも分かっているつもり。アナタはまだ若いし、色々と不慣れで不器用な部分はあるにしても、このままサヨナラというにはアナタの才能に関して、私はメチャメチャ惜しい気がしています」

 「・・・」

 「私の考えでは、アナタほど書ける人はいない、と思っているのよ。言ってみれば、ダイヤモンドの原石・・・かな。凄くいいものを持っている・・・けど・・・ まだまだ原石。これからさらに磨いていけば、凄い才能を開花できると思っています。
 だから私としては、アナタさえよければウチからも、アナタにもっと適した仕事をお願いしたい、と思っているわ。勿論、ウチだけに縛るつもりはなく、元のC社長のところとか色々と他でご活躍されるのはアナタの自由だし、その中のひとつとして考えて貰えないかしら?」

 「正直、あんな小さいタウン誌や社内報などの仕事をやる気はないですが・・・」

 「うちだって、タウン誌や社内報ばかりやってるわけじゃないし、最初からそんな考えは私にもないの・・・」

 「まあ自分しては、今回不本意な結果になったし・・・ それに最近N社の方でも、色々と仕事が出て来ているみたいな様な事を言ってたから、そっちの方でなんとかやっていこうと思いますよ」

 すでにゴタゴタで嫌気がさしてしまっていただけに、考えるよりも前に言葉が先に出ていた。思わぬケチが付いた事で、もう一度リセットして再スタートしたいという気持ちが強かった。こうして、大々的に船出をしたT社の情報誌に携わったのは、僅か1ヶ月にも満たなかった (* ̄m ̄)ブッ

 予め誤解を解いておきたいが、ワタクシは間違いなく平和主義者である。こう書くと、これまで読んで来た読者の中には

 「どこが平和主義者やねん・・・いつも争いばかりしているくせして」

 などと突っ込みを入れてくる人がいるかもしれないが、それは完全な読み違えである。

 一口に「平和主義」といっても、人それぞれに定義が違うわけだからそこに差異が生じるし、自らの定義する「平和主義」に固執すれば、それは争いの種になる。ましてや世の中には「平和を乱してやろう」とばかり、虎視眈々と舌なめずりをしているバカモノも少なくないから、自分だけが「平和主義」を唱えていても、真の平和などは永久にやってこないのである。

 ワタクシがいつも争っているのは、そうした平和を乱そうとするバカモノを排除したいがためであったり、或いは自分とは違う「平和主義」の定義を持った人々と、自らの主張をぶつけ合うためだ。したがって、ワタクシがいつも争っているのを論って

 「自分は平和主義者だから、争いを好まない」

 という言い方は、明らかにおかしい

 先にも触れた通り、自分が「平和主義」のお題目を唱えているだけで、世界平和がやってくるほど世間は甘くはないのであり、真に平和を欲するのであれば、それを乱そうとする愚か者との争いは避けては通れないはずなのだ。そもそも「平和を求めはするが、人と争うくらいなら妥協する」のか「平和を求めるために、積極的に争いもする」かという話で、両者は別次元の話だ。

 勿論、ワタクシは政治家でも警察官でもないから、世界平和や国民の平和を守るような立場にはいないから、国民のために争う(「日本」という国家のために、外国人などと争う事はあるだろうが)などという次元の話をしているのではなく、あくまで自分が暮らしていく中や仕事をしていく上で、明らかな障害になるような、悪意を持った邪魔者を排除するために戦うのみである。

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