第5戦 阪神3−2ダイエー
このシリーズ日記の最初から、ワタクシは
「ダイエーにとって初めて経験する、あの《甲子園》という異常な舞台では一つ勝つことすら至難の技であろう。
《甲子園》での3戦は総て負けを覚悟し、福岡で全部勝つつもりで戦わなければ、日本一の目はない」
と口を酸っぱくして何度も繰り返し書いてきましたが、まさしくその通りの展開になってきました。
だから、最初の福岡でダイエーが2連勝をした時も、多くの評論家の
「これでダイエーが圧倒的有利になった」
という短絡的な意見には迎合せず
「まだまだこれは当たり前で、何が起こるか予測がつかない《甲子園》では、3連敗もあり得る」
と警鐘を鳴らして来ましたし、今また《甲子園》で阪神が3連勝を飾ると、今度は一転して
「阪神俄然有利」
などと、口を揃え始めた評論家に対しては
「『《甲子園》での阪神』と『他の球場の阪神』とはまったく違うチームなのだから、まだまだダイエーにも充分チャンスがあるであろう」
と、異議を唱えたくなります。
第3戦から第5戦までの3試合を観て《甲子園》という、あの異常なシチュエーションを初めて体験しながらも、終始互角に喰らいついていたダイエーの方が、やはり実力的には一枚上手だという事はハッキリしている。
では、何故に阪神が3連勝出来たのかと言えば、それは言うまでもなく《甲子園》という魔物が棲むと言われる地の利と、あの前代未聞の大応援団の声援に後押しされたというのが誰もが認めるところで、恐らく《甲子園》以外の別の球場でシリーズが開催されていたなら、ダイエーの4勝1敗くらいでシリーズはとっくに終わっていたであろうと推測できます。
さて、こうしてとにもかくにも阪神が王手をかけて迎える、最後の福岡シリーズ。
常識的にみれば、2つとも勝たなければいけないダイエーに対し、2つのうち1つを獲れば良い阪神の方が遥かに有利に見えますが、事はそう簡単ではない。
最後の第7戦まで縺れこむような事になれば、やはり阪神としては相当に苦しくなってくるでしょうから、この《甲子園》での3連勝の余韻が残るまま、第6戦で一気にケリを着けてしまいたい。
一方、ダイエーは追い込まれたとはいえ、あの新興宗教の総本山に迷い込んだかのような異常なまでの独特の雰囲気から開放され、ようやく普段どおりの平静な気持ちに還って戦えるなら、元々自力では勝っているだけに2連勝は決して難しくないと思われます。
いずれにしても、2003年プロ野球総決算となる最後のオオヤマとなりそうな第6戦が楽しみです。
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