2003/10/07

初の敗北とリベンジ



 運動会の華といえば徒競走であり、徒競走のヒーローと言えばにゃべっちだ

これまでの輝かしい実績を見てみよう。

まず最初のレースである1年は、会心のスタートからぶっちぎりのトップで1等賞

スタートで出遅れた2年は、一気に追い込んでごぼう抜きを見せた。

一人速いのが居たが、ゴール前でなんとか抜き去って等賞

3年はスタートで足を滑らせ、大きく出遅れた。

それでもビリからのスタートながら猛烈に追い上げ、結果は3等だ。

3連覇は逃したとはいえ、アクシデントがあっただけに仕方がない。

スタートの失敗がなければ、間違いなく1等賞だった。

4年はPTA会長のオヤジが見守る中、今度はスタートが上手く決まり1年以来のぶっちぎりの1等賞

ここまでは、アクシデントのあった3年の時を除き総てが1等賞だ。

そして迎えた、この年。

課題のスタートに失敗し、またしても最後尾からの追い込みとなる。

中盤までに遅れは吸収したものの、この組には一人だけ飛び抜けて速いのが居た

ヒグチという少年で、過去に唯一苦戦した2年生の年に「一人速いのが居た」と書いたが、それがこの「ミグ」ことヒグチ少年だった。

2年生の時と同様の接戦になったが、違いはミグが当時以上に速くなっていたこと。

当時とは違い、この年はミグもスタートで出遅れたものの、中盤から一気に加速して他を引き離していった。

ミグに遅れ、後半から激しい追い込みをかけたにゃべっちだったが、遂に最後までミグを捕らえることが出来ずに終る。

神童、初の敗北!!
 
 が、2人の戦いは、まだ終らない。

クラス対抗リレーでは、にゃべっち、ミグともにアンカーである。

1走のムラカミ君がトップで飛び出したものの、2走で2人に抜かれ3位に落ちた。

しかもミグの6組が2位に浮上するという、絵に描いたような最悪のシナリオで

(またしても、ヤツとの勝負か・・・)

徒競走では負けているだけに、追われるよりも追う立場という願いも虚しく、3走のマチャが6組の走者と殆ど肩を並べるようにして、最後に僅かに前に出ると

「にゃべ、頼んだ!」

とバトンを渡す。

トップとも僅かな差だが、宿敵のミグも殆ど並ぶようにしてバトンパスの姿勢に入っていた。

「ヤツに抜かれてなるものか!」

徒競走でのリベンジを胸に秘めて、マチャからバトンを受け取るやロケットスタートでミグに大きく水を開ける。

このバトンパスが、ライバル2人の大きく明暗を分けることになろうとは。  

マチャからの絶妙のパスを受け、会心のダッシュを切ったにゃべっちに対し、ミグの方はよもやのもたつきを見せた。

(なにやってんだ、はよ寄越せ!)

というミグの苛立った怒鳴り声を背中に、一気に加速して水を開ける。

こうして運良くスタートから大きく引き離したものの、さすがはミグ。

中盤から得意の加速であっという間に差を詰めてくるという、徒競走とは真逆の展開となる。

トップを走っていた走者を難なく交わした「神童」と「超人」のデットヒートとなり、一度は殆ど肩を並べるまでに追い込まれたものの、最後は力尽きたミグを振り切ってラストスパートをかけ、ゴールテープを切って見事リベンジに成功 ε=ε=ε=ε=(; ̄▽ ̄)

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