2004/06/02

ハイドン 弦楽四重奏曲第77番『皇帝』(第3&4楽章)

第3楽章

第4楽章



出典 https://blog.goo.ne.jp/esuapn8u6f

 この曲は1797年に創られたとされている。とすれば、ハイドン67才。自由と愛国の念に燃え、作曲の集大成に向かっていた時期であろう。

1楽章アレグロが終わり、いよいよ第2楽章ポコ・アダージョ・カンタービレが始まった。この有名なオーストリア国家、何度聴いても勇気が迸ってくる。彼の有名な、フランス軍のウィーン侵入に仁王立ちのハイドンの雄姿を思い浮かべる。

一転、優雅な舞踊風の第3楽章メヌエット・アレグロに換わり、やがてハイドン特有の様式美溢れるフィナーレが有終の美を飾った。

ハイドンの曲には、モーツァルトやベートーヴェンに見られる個性に乏しいとの声も聞いたこともあるが、そのようなことはない。腹の底から絞り出てくるような、この曲の第2楽章を聞けば、そのような声はアルプスの彼方へ吹っ飛んでゆく筈だ。

何度も何度もリピートされる、この力強く且つ優美溢るる旋律に接すれば。ヘンデル、バッハのバロック音楽の時期から、モーツァルト、ベートーヴェンの時代への橋渡しの時期に生き「交響曲と弦楽四重奏曲の創始者」とも言われる。彼の音楽を聴いていると、パパ・ハイドンと親しまれる由縁が垣間見られる。

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