2004/06/15

三大都市圏の比較(東京劇場part1)


 名古屋のIT業界に見切りをつけ(或いは、業界から見切りを付けられ?)、東京進出を決意した。

 どうやら意に反する仕事を幾つか断り続けた事と、前に務めていた「世界のT社」との間で少しゴタゴタした末に辞めた経緯が狭い業界でかなり知れ渡っているらしく、姿の見えない高みにある「天の声」が悉く邪魔をしたせいか、ある業界では悪評高くなっているらしい。

 そういった悪評は悪評として、一方ではこちらの方でも少し前から不景気で案件自体の少ない名古屋(及び東海圏)には見切りを付ける潮時かとも考えていただけに、寧ろこれらの声を機にスッパリと多少はなくもなかった地元への未練を断つ気持ちが整理が出来たとも言える。

 TVのニュースなどを見ていると

 「日本一景気の良い名古屋・東海商業圏・・・」

 などというフレーズをよく耳にするが、名古屋で活動をしてきたワタクシなどに言わせるなら、まったく実態のわかっていない輩の世迷言と言うしかない。 もっとも、ワタクシの知っている世界はIT業界だけだからそれに限っての話だが、今の好景気を支えているのは「世界のT社」関係の製造業であろう。

 確かにT社などは今が絶頂といった感じで、本社のある豊田市や下請けの会社や工場が沢山ある岡崎や、刈谷といった西三河地方を中心とした県内から東海圏は、非常に景気が良い事は確からしい。グループ筆頭5社の某社に勤めている知り合いからも、ボーナスが三桁を超えているとも訊いている事からも、これは推察できる。しかしながら、ことIT業界に限ってはサッパリというのが、ここ数年の現状である。

 それでも開発系はT社を中心に仕事がそこそこあるようだが、ワタクシの専門となるネットワーク系となると、お寒い限りだ(過去に何度か関係の仕事もし、数々トラブルも経験してきたが・・・)

 ましてやT社は例外として、日本を代表する大企業ともなれば殆どが東京周辺に本社を構えているのが現状だから、大規模ネットワークに関係する仕事の需要は、当然の事ながら東京の方に一極集中してしまっているのが数年前からの傾向であり、年々益々その傾向に拍車が掛かっているのである。

では、三大都市圏でのネットワーク(通信)業界の市場規模自体に、どのくらいの差があるかを比較してみると、どうなるか。東京進出を考えるようになってから、複数の某有名転職サイトの求人状況を見るようになって、その違いがハッキリわかった

 例えば、かつて検索エンジンの最大手「YAHOO!」に出ていた「はたらこねっと」という求人サイトで比較してみると、以下のような感じである。

 このサイトでは、会員登録をしてログインをすると毎週求人情報の一覧が出てくるのだが、三大都市圏総てにエントリーを済ませてから見たところでは、概ね毎週同じような件数であった。

東京(首都圏) 7080
大阪(関西圏) 1525
名古屋(東海圏)1020

 ざっと、こんな感じだ。

 件数だけを見ると、IT業界で落ち込みの激しい関西圏ともかく名古屋圏は案外あるじゃないのという感じもするが、この数字には裏がある。ずっと前から出続けているような、いかがわしい案件が非常に多いのだ。このあたりの事情は関西も同様で、元々少ない案件の中でも半数くらいが同じ顔ぶればかりであった。

 こうしたインチキ臭いものを実際の数字から外した、真の求人案件は凡そこんな感じと思われる。

東京(首都圏) 4050
大阪(関西圏)  510
名古屋(東海圏) 510

 ただし、単価的には競争が激しいせいか首都圏は思っていた以上に厳しく、激安の関西圏は論外としても、名古屋圏とどっこいという感じであった。

 東京進出を視野に入れ始めたとはいえ、何のコネも伝手もないから、まず活動の始めは転職サイトからの応募である。こうしたサイトにスキルシートを公開しておくと、企業の採用担当からスカウトメールが送られて来る。取り敢えず最初に目に付いた案件に、片っ端から10件ばかり応募した。

 これまでの名古屋の場合だと、10件応募すると返事が返ってこないのや、書類の段階で半数以上がNGとなってしまい、面接依頼が来るのは半分あればいいところだったが、今回の東京の場合は6件から面接依頼が来た

 同時に応募していた関西圏の方は、3件のうち返事が帰ってこなかったものはなく、書類でNGとなったものが1件で、残る2件から面接依頼が来た。中には面接日時を指定してくるものも多かったが、こちらとしては短期間に纏めてこなして行かないとその分滞在費用が嵩んでしまうため、調整をしているうちに1社からは返事が帰ってこなくなり、最終的に7件に絞られた。

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