2004/06/01

パン



 「米党か、パン党か?」と言えば、間違いなく「米党」である。

朝食はホカホカのご飯と赤だしの味噌汁、焼き海苔に焼き魚なんてのが理想的ですが、なんせ独身の身ではそんなのは夢のまた夢であり、また朝の慌しさもあって理想とは大きく懸け離れた現実は、パンで済ませる事になります。

パンの利点は、なんと言っても食べ易さでしょう。

特に時間の制約の大きい朝は、着替えから始まりPCをしながら基本的に片手で間に合う点で、最近は朝一番のメールチェックの時に、パンを齧って済ませる朝食が日課となっています。

食べるパンは袋に沢山入った(200円くらいの)バターロールで、68個入りくらいのを2日に分けてコーヒーで流し込みます。

勿論、こんなものが旨いわけはないから、あくまで空腹を満たすための「エサ」に過ぎません。

ところで、以前に見たパンのシェアは

1.ヤマザキパン

2.PASCO(シキシマパン)

3.フジパン

 という事でした。

2位と3位は名古屋に本社を構える会社ですが、皮肉な事にワタクシの好みはパサパサとした食感のフジパンよりは、モチモチとしたヤマザキでPASCOがその次です。

かつて名古屋の社長令嬢だった母は、中学から大学までを名古屋随一のお嬢様学校と言われる『K学院』で送ったそうですが、ここの中・高等部が昔のお屋敷町と言われた白壁にあり、校舎の隣にシキシマ製パンの本社工場があります。

で、昼食の時間になると、隣の工場から学校へ作りたてで湯気の立っているパンを運んで来ていたらしい。

「可哀想に・・・アンタたちは、パンの本当の美味しさを知らないでしょう?  

ああ、あの出来立ての湯気が出ているパン の美味しかった事!

スーパーなんかの古いパンなんかとは全然、別の食べ物だわよ!」

と散々に自慢を訊かされ、腹立たしい思いをしたものでした。
 
 無論、出来たてホカホカのパンなどとは縁のないワタクシですが、かつて(10年以上も前)大名古屋ビルの地下にPASCO(シキシマ製パン)の直営店がありました。

いつも買っていたパンの数種類が食べ放題に加え、コーヒーも飲み放題のモーニング・バイキングをやっており、直営店なので朝一番に工場直送なのだろうと勝手に想像しながら、足繁く通っていた時期がありました。

通常はパンだけでも6つも7つも食べれば200円くらいはするところであり、それにコーヒーも通常料金の300円くらいでお替わり自由だから、実におトク。  

毎日のように通っているうちに、似たような顔ぶればかり来ていることに気が付きましたが、中に2人ばかり大変な大喰らいがいました。

マンガ雑誌や週刊誌を読み漁りながら、いつまで経っても帰っていく気配のないこのブオトコは、トレイを山盛りにしては2度も3度も往復していました。

どう少なめに見積もっても、パンだけで20個以上は食べていたようで、何時間粘っていたのかすら定かではないという、実に厚かましい御仁でした。

その後、仕事の現場が変わった関係で、しばらく行くチャンスがないまま久しぶりに訪ねてみると、知らぬ間に潰れてしまったのか、その店はなくなっていたのでした。

そこで次に眼を皿のようにして見つけたのが、直ぐ近くのユニモール地下街にある「ベル・ヘラルド」という喫茶店で、同じようなモーニング・バイキングをやっていたのでしばらく通っていましたが、ここでも同様に現場が変わったのをシオに遠のいているうちに、久方ぶりで入るとバイキングコーナーが見当たりません。

「ありゃりゃ?
バイキングのパンは、どこ?」

と訊ねると

「朝のバイキングは、終了いたしました!」

と、非常な宣告が降されたのでした。

さては、きっとPASCOで毎朝喰い散らかしていたあのポリバケツのようなブオトコが、シマを代えて荒らしたに違いないと決め付けたワタクシは

(チクショウ!

バカの大喰らいが・・・あちこち潰して歩きやがって・・・)

と腹の中で、あの非常識で恥知らずのバカモノ(化け物?)を罵った事は、言うまでもありません。

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