さらには大日如来坐像(木造漆箔、95,5㎝、平安時代、1917年重文指定と、木造漆箔74,5cm、藤原時代、1927年重文指定)の二体・・・真言密教の教主である仏であり、密教の本尊。一切の諸仏菩薩の本地。
「無相の法身と無二無別なり(姿・形の無い永遠不滅の真理そのものと不可分である)」という如来の一尊。大日如来の「智」の面を表したのが金剛界の大日如来であり、「理」の面を表したのが胎蔵界の大日如来であるとされ、この金剛界の智法身と、胎蔵界の理法身は一体不可分であるとされる。
金剛界の大日如来は智拳印を結んで周囲に阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来の四仏を置く。これを金剛界五仏という。また、胎蔵界の大日如来は、中台八葉院の中央に位して法界定印を結ぶ。東密では、顕教の釈迦如来と大日を別体としているが、台密では同体としている。
日本では、平安時代に浸透した密教において最高仏として位置づけられ、大日信仰が成立した。日本密教では、両界曼荼羅(金剛界曼荼羅・胎蔵曼荼羅)の主尊とされ、さらには虚空にあまねく存在するという真言密教の教主、「万物の慈母」とされる汎神論的な仏。声字実相を突き詰めると、全ての宇宙は大日如来たる阿字に集約され、阿字の一字から全てが流出しているとされる。また、神仏習合の解釈では天照大神(大日孁貴)と同一視される。
・薬師如来立像(重文、木造彩色97,6cm 平安時代11月22日開扉)・・・大乗仏教における如来の一尊。大医王、医王善逝(いおうぜんぜい)とも称する。
義浄訳「薬師瑠璃光七仏本願功徳経(七仏薬師経)」や達磨笈多訳「薬師如来本願経」では、薬師如来を主体とした七尊の仏の本願と仏国土が説かれる。天台密教では、円仁から始まったとされる七仏薬師法が息災・安産をもたらすとして重要視され、8-9世紀には藤原摂関家で同法による安産祈願が行われた。
・日光菩薩立像(重文、木造彩色 漆箔 175,0cm 藤原時代)・・・日光菩薩は、仏教における薬師如来の脇侍としての一尊であり、月光菩薩と共に薬師三尊を構成している菩薩のことである。日光遍照菩薩あるいは日光普照菩薩とも呼ばれ、薬師仏の左脇に侍する。
『薬師経』に依れば、日光菩薩は一千もの光明を発することによって広く天下を照らし、そのことで諸苦の根源たる無明の闇を滅尽するとされる。
造形上は月光菩薩と対になるように、対称的に造形される。つまり、日光菩薩が右腕を上げ左腕を垂らす場合は、月光菩薩が左腕を上げて右腕を垂らすといった姿形がとられる。また、その上げた方の手の親指と人差指で輪を作る作例が多い。さらに、宝冠と持物に太陽を表す標幟を表現することも多い。
・月光菩薩立像(重文、木造彩色 漆箔 174,0cm 藤原時代)・・・仏教における菩薩の一尊。日光菩薩と共に薬師如来の脇侍を務め、薬師三尊を構成している。
『薬師経』に依れば、月光菩薩は月の光を象徴する菩薩であり、日光菩薩と一緒に薬師如来の教説を守る役割を果たしているとされる。
造形上は、日光菩薩と対になるように対称的に造形される。つまり、日光菩薩が右腕を上げ左腕を垂らす場合は、月光菩薩が左腕を上げて右腕を垂らすといった姿形がとられる。また、その上げた方の手の親指と人差し指で輪を作る作例が多い。さらに、宝冠と持物に月を表す標幟を表現することも多い。
・五髻文殊菩薩坐像(重文、木造99,4cm 藤原時代)・・・文殊菩薩は、大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊。一般に智慧を司る仏とされる。『文殊師利般涅槃経』によると、舎衛国の多羅聚落の梵徳というバラモンの家に生まれたとされる。また一説に釈迦十大弟子とも親しく仏典結集にも関わったとされる。
『維摩経』には、維摩居士に問答で敵う者がいなかった時、居士の病床を釈迦の代理として見舞った文殊菩薩のみが対等に問答を交えたと記され、智慧の菩薩としての性格を際立たせている。
・聖観音立像(重文、木造彩色147,9cm 平安時代)・・・正観音とも書き、六観音の一尊でもある。観音菩薩(観世音菩薩、観自在菩薩)像には様々な形態のものがあるが、このうち、多面多臂などの超人間的な姿ではない、1面2臂の像を指して聖観音と称している。大慈の観音として、六観音の役割では地獄道を化益するという。元々は「正法明如来(しょうほうみょうにょらい)」という仏であったが、衆生の救済のため人間界に近い菩薩の身となった。
・如意輪観音半跏像・・・観音菩薩の変化身(へんげしん)の一つであり、六観音の一尊に数えられる。日本では「如意輪観音菩薩」、「如意輪観世音菩薩」、「大梵深遠観音」など様々な呼び方があるが、重要文化財等の指定名称は「如意輪観音」となっている。また「救世菩薩」とも呼ばれる。
如意とは如意宝珠(チンターマニ)、輪とは法輪(チャクラ)の略で、如意宝珠の三昧(定)に住して意のままに説法し、六道の衆生の苦を抜き、世間・出世間の利益を与えることを本意とする。如意宝珠とは全ての願いを叶えるものであり、法輪は元来古代インドの武器であったチャクラムが転じて、煩悩を破壊する仏法の象徴となったものである。六観音の役割では、天上界を摂化するという。
出典 Wikipedia
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