大男の外見に似合わず、オーケストレーションが苦手で、ピアノなどの小曲に持ち味を発揮したシューマンは、元々重度の躁鬱症であった上に非常に慎重な性格の持ち主だったせいか、オペラなどの華美なものを嫌っていた。そのせいか、どちらかというと地味で暗めの曲調が多い。
「江戸っ子の羽織」に通じるような、何となく聴き逃してしまうような細かいところで、実に凝った職人らしい仕事をしているのである。そうしたシューマンの特徴が良く出ているのが、この曲だ。シューマンのような、一流ピアニストの作るピアノ協奏曲ともなれば、当然のようにピアノソロが派手な技巧をアピールするような曲調になるのが普通である。ところが、この曲に限っては本来は主役であるピアノが、オーケストラの中に埋没したかのような、なんだかピンボケな変り種の印象があるのは
『ピアニストが己の技巧をひけらかすような音楽は、上品ではない』
という、洒落モノ独特の哲学に基づくものであった。
第2楽章
間奏曲と題された、落ち着いたヘ長調楽章。つぶやくような進行に、木管で応答があり繰り返される。最後に前楽章主題が短調長調で現れ、循環形式による楽章間の調整を図っている。当然、次楽章とは切れ目がない。
※Wikipedia引用
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