『カルメン』を代表するに相応しい、血湧き肉踊るようなエネルギッシュなアリアであり、また「劇音楽の天才」と称されるビゼーの面目躍如たる有名曲である。
当時、オペラといえば華やかな舞台に着飾ったヒロインが登場し、物語の題材は神話や貴族社会など雲の上の世界を描いたものが殆どで、観客も当然そうした作品を期待していた。ところが、この日登場した『カルメン』のヒロインは、汗にまみれて働くたばこ工場の女性労働者だ。そのうえ女同士取っ組み合いのけんかはするわ、男をあからさまに誘惑しては袖に振るわで、上品で美しいオペラを期待していた聴衆はびっくり仰天。おまけに、最後は逆上したホセにカルメンが刺し殺される場面で幕が下りる、という結末である。http://jp.yamaha.com/引用
オペラ史上に残る初演の大失敗に繋がった理由は、このように当時の常識を大きく覆すようなストーリー展開に観客が度肝を抜かれたためで、決して音楽の評価が酷かったわけではない。
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