2004/02/15

ビゼー『カルメン(第1組曲)』間奏曲



 才能がありながらも、ここまで運に恵まれずに来たビゼーだが『カルメン』の出来栄えには、それまでにない大変な自信を持って初演に望んだ。それだけに、この思わぬ酷い反応に大ショックを受けてしまう。パリでの初演の3ヵ月後、心臓障害で不幸にも僅か36歳という若さのうちに亡くなってしまったのも、このショックが引き金になったのではないか、と思われる。

ちなみに、この皆が狂ったように騒ぎ立てる客席の中で、一人 「なんと素晴らしい音楽であろう・・・」と興奮に身を震わせながら、感動の涙を流したと言われるのがチャイコフスキーだった。

チャイコフスキーは逸早くこの曲の真価を見抜いたばかりでなく、直ぐにこの作品から啓発を受けて自らもオペラ創りに取り組んだというから、愚鈍な凡百の聴衆とは違いさすがは慧眼の持ち主であった。

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