2004/02/23

リハーサル(運命の体育祭part2)

にゃべの場合
レースはリハーサルから、互いにサッカー部の同僚として意地でも負けるわけにはいかない、2人のライバル同士の激しいデットヒートとなる。

スタートは出遅れたものの、ホームストレッチに入ってゴール前でトップを走っていたゴトーを鮮やかに交わし、見事胸でテープを切ってみせた ☆☆=ε=ε=ε=ε┏(; ̄▽ ̄)┛フハハハッ

「ムフフ・・・見たか!
結局、オマエはどう足掻いても、真剣勝負ではオレには勝てんだろーが (*Φ皿Φ*)ニシシシシ」

と、得意絶頂のこちらに対し

「バカヤロー!
今日は明日の本番向けの練習だし、全力を出してねー。戦略は整ったぜ。明日はしっかり借りを返してやるから、精々首を洗って覚悟を決めておけ!」

と、あくまで強気のゴトー。なにせ、かつて虐めていた小学生時代とは見違えるほどに成長し、今や自分を凌ぐ長身に加え成績の面からも、またサッカー部で毎日目の当たりにしている運動身体能力の面からも、今やこちらと遜色ないほどにまでの大変貌を遂げていたのが、このゴトーなのだ。

ゴトーの場合
迎えたリハーサル。
スタートは良かった。トップで飛び出すと、そのままゴール前まで突っ走る予想外の展開。

「にゃべは、どーなった?」

とか、そんなことを考えてる余裕などはまったくない。あの時は、まさに頭の中が真っ白だった。

(よし、行ける!)

と思ったのは、ゴール直前だ。ところが、後ろから一陣の疾風を感じたと思う間もなく、あっと思う間に影のように前に躍り出てきたアイツが、目の前でゴールテープを切りやがった。あれは、まるで手品を見ているみたいに鮮やかだったよ (  ゜ ▽ ゜ ;)エッ!!

「ムフフ・・・見たか!結局、オマエはどう足掻いても、真剣勝負ではオレには勝てんだろーが (*Φ皿Φ*)ニシシシシ」

と、例のバカにしたような表情で、アイツがほざいた。

「バカヤロー!
今日は明日の本番向けの練習だし、全力を出してねー。戦略は整ったぜ。明日はしっかり借りを返してやるから、精々首を洗って覚悟を決めておけ!」

勿論、これは苦し紛れのハッタリで、この時点で戦略などあるわけがない。  全力を出してないわけもない。

「このレースは、明日の本番に向けた偵察レースに過ぎん」

と匂わせるのが目的だったが、この時点ではあのラストスパートの信じ難い驚異のスピードに、ただただ呆気に取られていたというのが真相だ

そうはいっても冷静に考えれば、スタートからゴール前まではオレの方がリードしていたのだから、決して実力は劣っていないハズだ。

(昔のような子ども扱いではない。少なくとも、互角の実力はあるのだ!)

と、強く自らに言い聞かせた・・・そう、言い聞かせるしかなかった・・・
 よし、ボチボチ時効だろうから、本当のことを話そう。

裏工作」と言っても、決して八百長とかしたってわけじゃねーぜ。徒競走でオレがアイツとが同じ組になった裏には、実を言うとオレの「操作」があったってわけよ。ほら、朝礼とかの時とかって、背の順に並ぶだろう。だから、オレはアイツが後ろから56番目というのはわかってたし、こっちは後ろから3番目だから、本来ならオレとアイツとはどう転んでも同じ組にはならんわけよ。そこから、オレの「暗躍」が始まったわけさ ( ´艸`)ムププ

ところが何度か確認したところでは、アイツは後ろから5番目の時と6番目の時があることに気付いた。アイツと同じ組を狙ってたオレは、アイツのクラスの元同級生に

「オイ!
オマエのクラスのにゃべってヤツは、背の順で前から何番目だ?」

と、何度も確認したさ。当然、向こうは戸惑いながらも

「なんで、そんなことを聞く?」

てなもんだが、こっちは構わず

「いいから、何番目か言え!」

と怒鳴りつけてやると

「にゃべは、後ろから5番目くらいだったかな・・・」

と言う返事だ。

「後ろからじゃねー。オレが聞きたいのは、前から何番目かだ!」

徒競走は背の低い者からだから、前からの順番が同じでなきゃあ意味がない。 それで何人かに聞いた結果、どういうわけかアイツともう1人が入れ替わりで、5番目だったり6番目だったりということだった。さらに、アイツのクラスの男子の人数を聞くと、20人だということだから、仮に6番目とすれば前からは15人目、5番目なら16人目だ。一方、オレのクラスも男子は同じ20名で、オレは後ろから3番目だから前からだと18人目で、アイツが6番目に並べば3人、5番目なら2人の差があった。

この時点では、まだ

「徒競走の時だけ、前2人くらいに代わって貰うか・・・」

などと、冗談半分で考えていた程度だ。ところが運命と言うか天の配剤と言おうか、上手い具合に本番2日前にウチのクラスのイトーというヤツが風邪を引いて「38度の高熱」とやらで休み始めたから、このまま上手くすればオレが17番目に繰り上がるチャンスが出てきたわけよ。この時、オレは冗談半分だった計画を、いよいよ本気で実行する決断をした!

問題は、アイツが5番目か6番目の、どっちに並ぶか・・・だ。これだけは、こっちではコントロールが出来ん。2人となるとちょっと目立つし、教師に目をつけられるかも知れんが、1人くらいならどうにでも誤魔化せるだろう。だからこの時点では、ともかくアイツが5番目に並んでくれよと祈るだけで、6番目だった場合の作戦は、どう考えても妙案が浮かばなかった。

ところが嬉しいことに、リハでは何も知らぬアイツが、澄まして5番目に並んでいるじゃねーか! (*`▽´*) ウヒョヒョヒョ

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