『カルメン』は、オペラの方は3時間を超える大作だけに、より深く理解するにはストーリーの知識は欠かせないが、組曲版(第一・第二組曲)の方は全部で30分程度に圧縮されているため、ストーリーを知らない人でも純粋に音楽だけで充分に楽しめる気楽さがある。
これまで紹介してきたように、最も有名な「闘牛士」を筆頭に、物語のヒロインであるセビリアのタバコ工場に務める女工カルメンが真紅のバラを口に咥えて颯爽と登場する有名な「ハバネラ」や、闘牛士たちの入場に使われる「アラゴネーズ」、「闘牛士の歌」、幻想的で美しい『間奏曲』などなど、どれもこれもがどこかで聴いた事のあるような、全編が有名曲のデパートだ。組曲版の最後を飾る『ジプシーの踊り』(第2組曲第6曲)も、情熱的で印象に残る名曲である。
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