2004/02/16

ビゼー『カルメン』(第2組曲)前奏曲




カルメン』は、非常に人気の高い作品だ。フランス語で上演されるオペラでは最も有名な作品であると同時に、隅から隅まで名曲揃いである。物語はメリメの原作に基づいているが、オペラ『カルメン』の人気によって原作の方も有名になったと言っても過言ではない

カルメンは、地のセリフ入りのオペラ・コミック・スタイルで書かれたが、通常はセリフ部分をレチタティーヴォで歌い、ダンスシーンが入るグランド・オペラ形式で上演される。初演は「柄の悪い人物が大勢出てきて、人殺しが起こる」ということで評判が悪かったが、公演を重ねるにつれ人気が出てきた。

カルメンという役は美声でアリアを歌うだけの役とは違い、演劇的な要素が不可欠でストーリーも非常にドラマティックなのである。「演劇としても十分楽しめる=退屈しない」というのが、この作品の一番の素晴らしさではないか。  

ちなみに、ビゼーは一度もスペインに行ったことがなく、原作者のメリメもフランス人である。一般的には「カルメン=スペイン風」と思われているが、厳密には「フランス人が想像で描いたスペイン」ということになる。それだけ、ビゼーの音楽に説得力があると言える。

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