2004/02/14

ビゼー『カルメン』(第1組曲)アラゴネーズ(Aragonaise)



アラゴネーズ(Aragonaise』は「スペインのアラゴン地方の踊り」の意味。ジョルジュ・ビゼーというフランスの音楽家の名は知らなくとも『カルメン』を知らない人はまずいないのではないか。そして『カルメン<』といえば、メリメ作のストーリーそのものも勿論有名だが、それに匹敵するかそれ以上といっても良いくらい、広く知られているのがビゼー作曲の音楽だ。

ビゼーの『カルメン』には有名なオペラと、オペラから有名どころを中心に編集した組曲版とがある。Classic音楽の世界では、今でこそ名曲といわれる曲でも最初から大衆に歓迎されるとは必ずしも限らず、それどころか寧ろ初演ではその真価がまったく評価されず、不当に冷遇をされたりするようなケースは案外多い。今でこそ、数あるオペラの名作の中でも有数の傑作として、指折り数えられるこの『カルメン』の初演での評価もまた、信じられないくらいに酷い物だったのは有名である。

外国の聴衆は、日本人のように大人しくはないから、気に入らなかったり期待外れの演奏を聴かされた時には、口笛を吹いたり床を足で踏み鳴らしたりして不満の表現を顕わにして見せると言われるが、この時には殆んどの聴衆が一斉にこのブーイングの嵐を浴びせたから、会場はたちまちにして未曾有の大混乱に包まれた。

0 件のコメント:

コメントを投稿