2004/01/28

ヴェルディ オペラ『リゴレット』四重唱(第3幕)




 作曲がかなり進捗していたこともあり、主人公トゥリボレットは、それとよく似た語感のリゴレット(Rigoletto)に変更された(この名前の初出は、1851114日のヴェルディの書簡である)

1851219日、ヴェルディはブッセートの自宅からヴェネツィアに到着、稽古の合間を縫っていくつかのオーケストレーションの仕上げがなされ、311日の初演を迎えた。そしてそれは、少なくとも20回の再演を伴う大成功だった。

このオペラ中、リサイタルで度々演奏されるアリアは殊欠かないが、その魅力はむしろ次々と紡ぎ出される重唱の数々にあると考えられている。大規模な合唱場面を欠いている点で、ヴェルディの他作と大きな対照をなしているのも興味深い。ヴェルディ自身は、ジルダのためにもう一曲魅力的なアリアを補作してほしいという要請を断る書簡(1852年)において

「作曲者の意図では『リゴレット』は途切れることのない一連の2重唱であるべきで、アリアは仕方なくそこに置かれているに過ぎず、これ以上何も加えようはない」

という旨の考えを述べている。

前述のように、このオペラでは検閲による変更を余儀なくされた地名、固有名詞などを除けばかなりの程度、ヴィクトル・ユーゴーの原作戯曲を忠実に、イタリア語化している。それにもかかわらず、ユーゴーには著作権料に相当する金銭の受取が一切なかったため彼は立腹、フランスで訴訟まで提起した(結果は敗訴)。このため同オペラのパリ初演は、他の世界諸都市に大きく遅れて1857119日(イタリア座)、世界初演のほぼ6年後であった。

しかしヴィクトル・ユーゴー自身、ヴェルディの効果的な重唱の用い方には驚嘆せざるを得なかった。同オペラのパリ初演に観客として(不承不承)招かれたユーゴーは、第3幕の4重唱を聴いて

4人に同時に舞台で台詞を言わせて、個々の台詞の意味を観客に理解させるのは、芝居では不可能だ」

と述べたと伝えられている。
※Wikipedia引用

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