●にゃべっちの場合
「そ-ゆーことか・・・向き合った時は、あまり息が上がってなかったんで、全然気付かんかった」
「まあ、オレももう少しは格好がつけられるか、と思ったんだがな・・・」
少年としては、まったく何気ないひと言のつもりだったろうが、なにせ血気盛んな年頃だけに、ちょっとしたひと言が引っかかってしまう場合がある。
「ん?
まるで体調万全なら勝てた、という風に聞こえるんだが?」
一瞬、キョトンとしたオグリだったが、こうなると売り言葉に買い言葉だ。元々、「超」が付くほど短気なオグリが、いよいよ「地」を表し始めた。
「まあ普通の状態なら、オレにも勝つチャンスがあったろうが・・・しょせん、あんな状態では勝ち目がねーさ」
これでは「負けたのはあんな状態だったせいで、そうでなければ勝てた」と言っているように聞こえるではないか。
(太々しい態度と言い、どうにも癇に障るヤローだ ∑( ̄皿 ̄;;キィィィィィィィィィィィ!!!
普段は冷静な「神童」が、珍しく熱くなっていた (ノ-o-)ノ ┫オリャ
「よ~し、じゃあもう一丁やろうじゃね~か。万全の状態で、どっちが強いのか決着つけよーぜ。今度は、ゴチャゴチャと言い訳なしでな」
「仕方ねえなー。言い訳などしとらんし、オレはどっちでもえーが・・・まあオマエがそこまで言うのなら、やってやってもえーけど・・・」
と言葉とは裏腹に、やはりオグリも決着を着けたがっていた。
「よし!
じゃあ、10分後に再戦だ!
それまでに息を整えて、首を洗っていろよ!」
「ああ、オマエこそな」
●オグリの場合
「そ-ゆーことか・・・向き合った時は、あまり息が上がってなかったんで、全然気付かんかった」
「まあ、オレももう少しは格好がつけられるか、と思ったんだがな・・・」
こっちとしては、まったく何気ないひと言のつもりだったが、なにせ血気盛んな年頃だけに、ちょっとしたひと言が引っかかってしまう場合がある・・・らしい。
「ん?
まるで体調万全なら勝てた、という風に聞こえるんだが?」
無論、そんなつもりはなかったが、こうなると売り言葉に買い言葉というやつさ。なんせ、相手はあの「神童にゃべっち」だから、今まではこっちからすれば口を聞くのも憚られる感じだったが、こうして遣り合っていると
(なんだ。コイツも、やっぱり普通の中学生じゃねーか!)
と、ヤツに対するコンプレックスも消し飛んできてね。そうなると
(折角、丸く収まったのに、なんでオレがゴチャゴチャとイチャモンをつけられないかんのか!)
と、次第に腹立たしくなってきやがった (*≧ω)ノ-=≡≡卍
それで「まあ普通の状態なら、オレにも勝つチャンスがあったろうが・・・しょせん、あんな状態では勝ち目がねーさ」と挑発してやると、ヤツは益々いきり立って
「よ~し、じゃあもう一丁やろうじゃね~か。万全の状態で、どっちが強いのか決着つけよーぜ。今度は、ゴチャゴチャと言い訳なしでな」
と、きやがったよ。
(よーし、そこまで言うなら、今度こそお望み通り地べたに這いつくばらせてやろーじゃねーか。負けず嫌いの神童さんよ!)
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