2004/01/09

リスト ハンガリー狂詩曲第6番『ペシュトの謝肉祭』(ピアノ原曲/第9番)




ペシュトとは現在のハンガリーの首都「ベダペシュト」の「ペシュト」のことである。

ドナウ川を挟んで西側の丘の上に位置する「ブダ」に対し、東側の「ペシュト」は平野で経済的に発展した町であった。

謝肉祭」はキリスト教(主にカトリックの地域)のお祭りで、四旬節(復活祭の46日前)の前に行われる。

そのメイン・イベントは大規模な仮装行列で、この作品はそうした雰囲気を模写していると考えられる。

Moderatoで開始される比較的緩やかな前半は、遅いLassanの音楽とは異なっており、楽曲の重点はFinaleと添えられたPresto以降の部分に置かれている。

ファンファーレ風の開始は、仮装行列の開始を告げるラッパのようでもある。

緩・急の2部構成ではあるが、他のジプシー風スタイルの2部構成とは若干、異なる面を見せている。
 
 リストが「ハンガリー的なもの」として考えていた音楽が、厳密にはそうではないということは民謡収集などの研究によって今や明白である。

が、この曲集は、リストなりのハンガリー音楽の研究成果であり、その内容を咎めるのはナンセンスである。

リストの考える「ハンガリー的なもの」とは、ジプシー楽団によって演奏された音楽であり、彼らは聴衆の求めに応じて土着の民謡の他、聴衆に馴染みの深い音楽などを「彼らのスタイル」で演奏した。

リストの「ハンガリー狂詩曲集」を考える上で重要なのは、このジプシー楽団の「演奏スタイル」である。

彼らの演奏スタイルのルーツは、ヴェルブンコシュ(当時はマジャルと呼ばれていた)というもので、もともと募兵行事で演奏されるものであったが、次第に音楽だけが市民権を得るようになり、行事から完全に独立して当時の人々の間で流行した。
  http://www.piano.or.jp 引用

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