2004/01/22

大徳寺大仙院(夏の京都part3)

非公開の、大徳寺伽藍群を突き抜けていくと「大仙院」がある。

<大仙院は、京都府京都市北区にある臨済宗の大徳寺内にある塔頭寺院。永正6年(1509年)に大徳寺76世住職古岳宗亘(こがくそうこう、大聖国師)によって創建された。現在22に及ぶ大徳寺塔頭中、北派本庵として最も尊重重視される名刹である。

大仙院の三世古径和尚は、豊臣秀吉の怒りにふれ加茂の河原で梟首された千利休の首を山内に持ち帰り手厚く葬った。また漬け物の「たくあん」を考案したとされる七世沢庵(たくあん)和尚が、宮本武蔵に剣道の極意を教えた所としても有名である。

昭和40年(1965年)より住職を務める尾関宗園(おぜきそうえん)は著書も多数ある名物和尚で、その豪快な説法で知られる。 


国宝・本堂(方丈)(附:玄関)-永正10年(1513年)に古岳宗亘が自分の隠居所として建立したもので、日本の方丈建築としては東福寺・龍吟庵方丈に次いで古い遺構である。「床の間」が現れるのもこの時代で、大仙院の床の間は日本最古とされ、「玄関」も日本最古の玄関として国宝に指定されている。

重要文化財
紙本淡彩四季耕作図 8幅(礼の間、狩野之信筆)
紙本著色花鳥図 8幅(檀那の間、狩野元信筆)
紙本墨画瀟湘八景図 6幅(室中、相阿弥筆)
紙本墨画瀟湘八景図 16幅(室中、伝相阿弥筆)

以上4件は方丈障壁画で、現在は掛軸に改装されている。室町時代を代表する障壁画で、フランスのルーブル美術館にも出展されたことがある。なお、大仙院旧方丈障壁画のうち、衣鉢の間にあった墨画の禅宗祖師図など24幅は東京国立博物館の所蔵となっている。

特別名勝・史跡・枯山水庭園・・・室町時代を代表する枯山水庭園である。蓬莱山から落ちる滝、堰を切って大海に流れ込む水をすべて砂で表し、宝船や長寿の鶴亀を岩組で表した開祖古岳宗亘禅師による室町時代の代表的な枯山水庭園。書院には縁があり庭園との連帯感をもち、座敷あるいは縁に座して庭園を観賞するように造られている。>



 <方丈(国宝)を取り巻く枯山水の庭(史跡・特別名勝)は、蓬莱山から大海へ至る水の流れが、石組みや玉砂利で表現されていて見事。方丈内は狩野元信筆と伝わる、花鳥図(重要文化財)などの襖絵で装飾されている>
出典 Wikipedia
 

 <大海・・・石橋の下をくぐり、透渡殿の下をくぐった水は大河となり、この「大海」へと至ります>

 <中海・・・蓬莱山の水は西へも流れ、亀島の前を通ってこの庭へと繋がっています>

 <蓬莱山・・・鶴島と亀島の間に蓬莱山があり、刈り込みや美しい砂で滝が流れ落ちる様を表しています>

 殊に「蓬莱山」の方は、真に素晴らしい。大きな石を沢山使ったダイナミックな石組みと、白砂の波を表す紋様は川の源流から大海に注ぐ滝が流れ落ちている様子を現しているらしい。

 鶴島と亀島の間にあるのが蓬莱山(中国の神仙思想に説かれる三神山の一。山東半島の東方海上にあり、不老不死の薬を持つ仙人が住む山と考えられていた。蓬莱山。蓬莱島。よもぎがしま=YAHOO!国語辞典より)である。

 大仙院の隣にある「芳春院」は、本来は非公開寺院であるが偶々特別公開期間に当たり、運良く拝観することが出来た。

<芳春院(ほうしゅんいん)は京都府京都市北区紫野にある、臨済宗大本山大徳寺の塔頭である。大徳寺の塔頭の中では最も北に位置する。通常は公開されていない。

慶長13年(1608年)に玉室宗珀(ぎょくしつそうはく)を開祖として、加賀百万石の祖・前田利家の夫人・松子(まつ,芳春院)が建立。法号をとって芳春院と名付け、前田家の菩提寺とした。開創期には多くの公家、武家、茶人等が集まり、寛永文化の発信地ともなった。

寛政8年(1796年)の火災により創建当時の建物が焼失するが、2年後に現在も残る客殿・庫裡・呑湖閣などが再建された。明治期には廃仏毀釈の嵐の中で荒廃するが、明治8年(1875年)になってようやく復興される。

都府指定文化財・呑湖閣(どんこかく)
元和3(1617)に前田利家の子・利長が小堀遠州に依頼して建てたものと伝えられる優美な二重楼閣で、金閣・銀閣・飛雲閣と並び京の四閣と称されている。

霊屋・・・波乱に満ちた人生を送った「まつ」が長男・利長とともに静かに眠る。

その他
本堂(方丈)
茶室・落葉亭,松月軒,如是庵

方丈前庭(花岸庭)
山渓から流れ出る水が、やがて大海に帰る自然の大らかさを表現したものといわれる。>
出典 Wikipedia

 金閣・銀閣、そして西本願寺の飛雲閣とともに「京都四閣」とも言われる「呑湖閣」は目にする事は出来なかったが、小さめの寺院ながら見応えは充分である。

 ここまでで既に、10近くの枯山水庭園を目にして来たわけだが、興味のない目にはどれも同じように見えるこれらの庭園には、個々に多様なコンセプトに基づいて設計・作庭されており、幾つも見比べているうちに自然と目が肥えてくるものであるとはいえ、やはり奥深い世界だと感じざるを得ない。

0 件のコメント:

コメントを投稿