2004/01/05

勃発 ~ X氏への遺言(第一部)「起」(1)


 マスコミ業界から、まったくの畑違いであるIT業界へと華麗なる転身(?)を図り、慣れぬ環境の中でどうにか1年を勤め上げると、早々に2つ目の職場となる某お役所への勤務が決まった。現場では先輩格に当たる若いK君の指導を受け、ホストコンピューターやunixサーバーの操作、或いはCOBOLCommon Business Oriented Language 汎商業目的言語)などを一通りマスターし、どうにか日常の業務にもこなれた半年を経過したところで、その「事件」が起こった。

K君、突然の退社宣言!

 現場で1年半を務めあげ、半年前から(つまり、こちらの参画開始と同時に)チームリーダー(といっても常駐は2人だが)として有能な手腕を発揮し、お役所のユーザーにも高く評価されていたK君の唐突な退社宣言だけでも、驚くところである。それに加えて、まだ出向半年でようやく業務に慣れてきた程度のレベルで、K君の後任としてリーダーに指名されるという、青天の霹靂が待っていようとは。
 
 これだけでも、充分に頭を抱えたくなりそうなとこだったが、新たにコンビを組むK君の後任として元請けのC社から送り込まれてきたのが、チンピラ上がりのどうにも使えないニーちゃんだった!

案の定、懸念していた通りこの大バカモノの不注意から、つまらないトラブルに巻き込まれた挙句に「リーダー責任」を問われ、お役所に対する元請けC社のつまらないメンツのために、トカゲの尻尾よろしく生贄として差し出されそうなピンチを迎える破目に陥った、にゃべっち・・・

しかしながら、そうはおとなしく引き下がるまいことか (キ▼д▼)y─┛~~゚゚゚

 怨み募る元請けC社のリーダー、X氏に怒りの罵詈雑言を浴びせるだけでは到底、この執念深いオトコの収まりがつくわけはない。復讐の鬼と化したオトコが夜を徹してせっせと制作していたのは、最終日にX氏に投下するための《恐怖爆弾》であった Ψ(`∀´)Ψケケケ

 目は開けど真実は何ひとつ見える事なく
 耳に穴あれど真実は何ひとつ聴こえる事なし

 「真実」は、未だ沈黙の闇の中にある・・・この「真実」が、たとえ沈黙を破って語りかける日が来ようとも、その耳が「真実」の声を聞き取る事が出来るか否か・・・いや、馬の耳にナンとやらというように、腐りかけた脳が「真実」を理解可能か否か・・・もとより保証の限りではない。翻ってこちらの方は、いかにすれば「真実」を伝える事が出来るのかを考えた。

が、それは所詮は「八百屋で魚」、或いは「木に因りて魚を求む」類の愚かしい無駄骨折りに過ぎぬ、と悟るのに時間を要す事はなかった。

 話は半年前の夏に遡る。

 「ボクは、Xさんが大っ嫌いなんです。 
 それ以上も、それ以下の理由もない・・・」
 青天の霹靂とは、まさにこの事だ。

新しい現場への出向から、およそ半年。ようやく現場での業務に慣れ、どうにか一人前のスタッフとして板について来た時に、これまでは教育係として、また今後は良きパートナーとして残る契約期間をともに務めていくはずだったK君の口から、突然の退社宣言を聞かされようとは。その理由を問うた時の返答が、これであった。

 信じ難い事だ。しかし、この際だからズバリ言ってしまおう。実はワタクシ自身も正直、X氏が好きではなかったのだ・・・が、それはK君とは違い、あくまでもまだ付き合いも浅い時期のほんの「印象」に過ぎない、とも言えた。
 だからこそ、この時は若いK君に対しX氏を擁護するような事すら、言ってしまったのである。

 「まあ、にゃべっちさんも今度から今のボクの立場になれば、すぐにわかる事でしょう・・・」

 というK君の捨てゼリフも

 (若気の至りというやつか・・・)

 と、決め付けていたくらいだったのだから。

 X氏に対しては、確かに好感を持ってはいなかったが、リーダーとしてはまず過不足ないだろう・・・と単純に踏んでいたのだ。が、若いK君のご託宣通り、そんな己の愚かしさに気付くのに、殆んど時間を要することはなかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿