2004/01/22

バカの壁 ~ X氏への遺言(第二部)「起」(2)



(人が折角終わった開放感に浸ろうとしている時に、邪魔臭い惚けたオッサンや!)

と憤慨しつつ食事を済ませて家に帰ると、予想していた通り契約会社の営業担当者から、携帯に電話が掛かって来た。

「さっき、所属会社を通じてC社から問い合わせがあったんだけど・・・にゃべっちさん、本当に今日で辞めるとか言ったの?」

この担当者は、例のトラブルの時も親身になってくれた唯一の人物で、上位会社の腹黒い営業担当とは違い、気を許せる相手だと信頼していたのだったが。   

「ああ、言いましたよ・・・今日で辞めると。事実、そのつもりだから」

「そのつもりって・・・契約は31日までだから・・・31日は出ないっていうんじゃないよね?」

「だから、今日で終わりだと言っている・・・」

「それだと、契約違反になるよ」

この度重なる「契約違反」という言葉には、日頃の温厚さ(?)も消し飛んですっかりぶち切れた (▼皿▼メ)

「あなた方は、何かというと直ぐに契約契約といいますがね・・・じゃあ聞くけど、半年前にC社が穢ない手段で人を陥れたことを、よもや忘れたわけではないでしょうな?
あれは契約違反どころの騒ぎじゃなくて、道徳や人倫から大きく逸脱した実に醜い駆け引きだったと思うがね。あの時、御社や上位会社とやらが、私のために爪の先ほどでも何かしてくれたのでしょうか?」

「だから上位会社も忙しい時間を割いて、先方と話し合ったじゃないの・・・」  

「話し合い?
バカゲタ戯言を・・・単に相手に丸め込まれて、裏取引でもしただけなのに?  私としてはあれだけ人を馬鹿にしておいて、今更なにを言ってんだと相手にするつもりなんぞは毛頭ないし、今日まで半年も我慢して来ただけでも感謝して貰わんと、割りが合わんくらいだと思ってますが。大体、たかだか最後の一日くらいの事で大騒ぎしてるが、今更私がなんかする事があるんですか?」

「そういう問題じゃなく、契約はあくまで契約だから・・・実はC社も現場リーダーからの事情説明を聞いて

『にゃべっちさんの気持ちは無理もないだろうが、役所の手前もあるので31日だけは出てくれないか』

と、泣きついて来てるんだ・・・」

「そんなもん、勝手に泣かせとけばいいよ。もう決めた事だし、病気という事にでもしておいて貰えば、いいでしょうが・・・」

「病気で休む場合は、医者の診断書が要るよ。診断書を役所(クライアント)に出さないといけないから・・・」

「そんなものくらいは、そっちで適当にデッチアゲておきゃあいいでしょーが」

「だから、本当の医者の署名がないとダメなんだって」

「そのくらいの便宜は、頼める医者くらいあるんでしょーが?」

「そんなの、あるわけないよ」

(-_-)~┻━┻
「まったく、クソの役にも立たんというのはこの事だな!
テンで話にもならんし、役所の方ばかり向いてて自分のとこの技術者の気持ちなんぞは、どうだっていいのか?
あれだけコケにされても何もしなかったくらいだから、最初から期待してなかったけどね・・・」

「ねぇ・・にゃべっちさん・・・頼むから31日だけ出てよ。なんにもしなくてもいいから、とにかく出るだけでいいからさ。あと、たったの一日じゃん。  一日、我慢するだけだから・・・」

「たったの一日のことで、ゴチャゴチャ言ってるのはどっちなのか?
出るだけでなんにもせんでも良いなら出る意味がないのに、それで何をしろって言うの?
まったく話にならんアホばかりで、いい加減に嫌になるよ」

「次の仕事も含めて、将来的にも会社として便宜を図るからさ・・・」

「バカバカしい!
C社のヤツと同じ事言ってやがる (`Д´)y-~~ちっ」

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