念のため、断っておく。この「遺言」は、あくまでX氏個人に宛てたものであり、C社というワタクシの目には沈没しかかっているボロ舟については、あえて触れぬ事にした。とはいえその趣旨について、その考え方というものに少しは触れておく必要があるだろう。
というのも、ワタクシのような立場(外部請負)に属したものとしては「疎きは親しきを間てず」の言に従い、あえて目の前のバカの醜状は見てみぬふりを装い、余計な差出口は遠慮していたのである。が、ここに至ってこの考えが、甚だ疑問に思えてきた。寧ろ、そのような立場に身を置いている者にしか見る事の出来ない客観的な視点から、敢えて一石を投じてみるのがこの身に課された責務の一つなのではないか、という考えにも拠っている。このような諸々の事情から、心ならずも最も身近にいて現場責任者たる立場にありながら、人の不幸も我関せずと見てみぬ振りの冷酷な態度を貫いてきた、X氏への個人集中攻撃になってしまったのは、是非もないところなのだ。リーダーたるもの、現場においては「ノーブレス・オブリージュ(noblesse
oblige」)の意識を強く持たねばならない。
ワタクシは知っている・・・アナタがワタクシという「異分子」を異常なまでに警戒し、極度に恐れていた事実を。そしてまた、いかなる箴言にも暖簾に腕押しといった、いかにも不自然極まる「顕著なまでの無反応」や「無表情な表情」を呈した時こそ、真にその罵倒が的を射ていたのだという事も。なにより「異分子」の口から、かつて経験したことのない激烈な口調で、己が心奥にのみ封じ込めておきたかったはずの不都合な真実どもが、遠慮仮借なく次々に抉り出されていく事に大いにうろたえ、それに対して最も恐怖を抱いていた事なども、総て知っていたのだ。
さて、X氏の事だ。この遺言を中途で破り捨てる事も叶わず、怒りに打ち震える手で(と言いたいところだが、そんな迫力はないだろうから精々、お得意の自嘲に顔を醜く歪めながら?)最後のこの件まで、ビクビクしながらも読み進めずにはいられなかった事だろう。そう信ずればこそ、日々マシン室に篭り大型汎用マシンに身を隠しつつ、せっせと筆を走らせていた甲斐があった、というものである。
この遺言を読んで腹が立つようならば、ワタクシを怨ずる前にまずは配下の技術者から立て続けに、世にもつまらぬ理由でNGを突きつけられた己が不徳をこそ、まず恥じてみる事だ。この文中において、たった一度だけ自慢させてもらうが、ワタクシの創作文たるや本来であれば一筆ナンボの世界なのであって、いかに辞めるまでに完成させなければいけないための殴り書きとはいえ、これをタダで読めたのは人生における僥倖であった、と謙虚に感謝したまえ。
まだまだ言いたいことは山ほどあるものの、全部を書いていてはPPCペーパーが一箱あったとて、到底足りるものではない。このご時世だから地球環境に配慮し、資源と時間の無駄を省くためにも、そろそろこのバカゲタ作業は終わりにしよう。ワタクシ自身も今回のゴタゴタを通して痛感させられたが、理屈が通らないのがこの世の常であり、こんなものとて書かれたからにはそれなりの必然性があったのだと斟酌してこそ、リーダーたるものの取るべき真摯な態度と言えよう。
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