いよいよ受験が間近に迫る年末に行われた2学期期末テストで、親友ムラカミが頂点を極めた。ムラカミのトップは、昨年の年度末以来2度目となる。
畏友ムラカミの後塵を拝して2位となったのは悔しいにゃべだが、3位のヒムロを上回った。このところ、やや天才性に翳りが見えつつあるヒムロは、遂に初の3位に後退だ。
「いやー、最高だなー。やっぱオレとオマエで、ワンツーフィニッシュってのが理想だろう?」
「アホ抜かせ!
1位と2位が逆だろーが!」
とムラカミとやり合うにゃべだったが、やはりヒムロに勝ったのは気分がいい。生え抜きのヒーロー2人の後塵を拝し、初めて経験する「屈辱」であろうヒムロを誰かが
「オマエにも、スランプってのがあったのか?」
と、冷やかしたところ
「元々、アイツらはレベル高いんやし、なんとも思っとらんわ」
などと皮肉っぽく言ってのけていたらしいが、どうもこの男だけはどこにホンネがあるのか、相変わらず掴み所がなく
(いっぺん、10位くらいまで落ちろ!)
と、この憎いライバルの凋落を心待ちにするにゃべであった。
一方、一度は『A高』ボーダーにまで上がってきていたサッコの方は、今回は明らかに落ち込んだ様子で、どうにも芳しくなかったのは一目瞭然だ。
「こうなりゃ、もう総てを年度末に賭けるわー!」
自らに言い聞かせるようなお得意の芝居じみたセリフにも、さすがにショックは隠せないせいか心なしか、その声にはいつもの元気がなかった。
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