2004/07/29

合格(高校受験シリーズpart9)

 いよいよ、高校受験の日がやって来た。

まずは公立『A高校』より遥かにレベルの高い、というよりは県内の全高校の中でも最高峰として『旭丘(県立)』とともに、その名の轟く『東海高校』(私立)を受験したにゃべ。『東海』受験は大学と同じ、内申は関係なしの当日一発勝負である。

試験勉強は遂に「0」時間を貫いたとは言え、産まれついての「本番に強い男」の本領を発揮。当日の試験の出来には、かなりの手応えを感じたため

(これは、合格に違したはず・・・)

と、この頃には不思議と

(成るようになるさ)

といった、清々しい気分だった。

そして、運命の合格発表!

まだ街には、凍てつくような寒さの残る2月下旬の寒い朝。運命の通知が届いた。

《合格おめでとうございます!
あなたは本校の試験に合格しました。
ご入学をお待ちいたしております》

 「見たかー!
『神童』と謳われた、オレの実力を!」

と、一人快哉を叫んだ。

この日のために、クリスマスの時に密かに隠しておいたクラッカーを飛ばし、シャンパンを抜いて一人離れの部屋で乾杯をしていると、押っ取り刀で待ち構えていたらしいムラカミ、イモ、マサ、シモッチらがやって来た。

「なんじゃい、このありさまは?」(シモッチ)

「いやー!  さっきまでさ、一人で祝ってたからな・・・」

「なに~!
水臭いやっちゃな!!
こうして、取る物もとりあえず駆けつけてやったちゅーのに」(イモ)

と、皆でドンチャン騒ぎが始まった。

「オレは(家が)近いから、もうちょい残ってるぜ」

宴が終わり皆が家路に着く中、最後にムラカミだけが残った。

「まあ、ともかくめでたい事よ。やっぱ、なんつーかな・・・たいしたもんだよな、オマエというヤツは。あの『東海』に合格だからな・・・」

「うむ・・・何事も経験だからな。案外、いい経験が出来たかも・・・」

「そーだな。で・・・結局は『A高』へ行くんだろ?」

「さあ、これからじっくり考えるさ・・・折角『東海』にも合格した事だし、チト惜しい気もしてきたからな」

「オイオイ、マジかよ・・・まあ確かに、惜しいことは間違いねーけどな。もしもの時は、盛大に送り出してやるさ・・・」

と、ムラカミは言った。

 翌日の学校では

「『東海』合格とは、凄過ぎー!!」

「やっぱ、にゃべだけは『本物』だったんだ!」

と、改めて学校中の尊敬の眼差しを集め、主任教師らからも

「やっぱり、オマエは勉強せんでも出来が違うわ」

と久々に喝采を浴び、ご満悦のにゃべである (´0ノ`*)オーホッホッホ

滑り止めの私立校は、学校側でレベルを下げていたため全員合格していたが、3月初めにはいよいよハイライトとなる公立受験が行われた。にゃべ、ムラカミらは既に推薦入学が決定していたため、他の生徒らが一般入試で死に物狂いの時期はのんびりと昼寝をしていて『A高』合格発表など多少は気にはなっていたが、結局は合格発表も面倒になって見に行かなかった (-_-)zzz

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