前期は選出が確実視された奈津子とのコンビを嫌い、またしても裏で画策をした。思惑通り、奈津子の相手は親友ムラカミに押し付けておいてトンズラを決め込んだものの、早いもので後期級長選の時期がやってきた。
男子は選出が確実視されるにゃべだったが、後期に関しては最早裏工作に右往左往する必要はまったくない。というのは、これまで『B中』を代表する美形ながらも、比較的おとなしい性格のせいかイマイチ爆発とまではいかなかった小夜子の人気が、ここへきて一気に大ブレイクしていたからである。
クラス替え当初は、派手な言動に加えそこそこの美形で、人気・注目度とも男子生徒の注意を最も惹いたのはサッコだったが、持ち前のアクの強さと気の強い性格が災いし、男子生徒の人気は幾らかダウン。これにとって代わるような形で「癒し系」タイプの、おっとりとした小夜子の人気が急浮上してきたのである。
2人の違いは、例えば男子生徒からエロネタを持ちかけられた時などに、顕著に表れた。顔色一つ変えることなく、臆面もないセリフをズバズバと口にする、若きオバタリアン・サッコに対し
「もう、やめてー!
なんで、そんな話ばっかりするのー」
と、顔を赤らめ照れ隠しする小夜子には
(オカド~、なに赤くなってんだー)
(オカちゃん、かわいー)
などと冷やかしが飛ぶほどに、皆から愛される素直さが売り物(?)となっていた。
そんなこんなで、すっかり人気者の地位に奉り上げられていた小夜子が、予想通り圧倒的支持で女子級長に選出され、晴れて「にゃべ&小夜子」コンビの誕生となった。
思えば、強運児にゃべの(学生時代に限っては)ナント女運の強い事か。委員長制度の始まった、小学4年からのパートナーを列挙してみると・・・
小学4年:香
小学5年:美佳
小学6年:香里
小学6年:香里
中学1年:真紀
中学2年:香
中学3年:小夜子
と、それぞれ『B小』或いは『B中』を代表する魅力的な美形ばかり。このうち小4の香には初恋に小さな胸をトキメかせたし、小5の美佳の大人っぽい魅力に惹かれ、小6の香里にはおっとりとした優しさに癒された。
中学では電撃的な出逢いの真紀に一目惚れし、後にはすっかり会話が弾んだし、中2の香には何もかも任せっきりで、時折文句を言われながらも随分と助けられたし、そして中3の小夜子にはすっかり頼りにされと、まさに絵に描いたようなオイシイ役どころばかりといえた。
その間、承知の通り小5の1学期と中3の前期の2度に渡り、奈津子を避けたおかげで美佳と小夜子とコンビを組むことが出来、また唯一2度コンビを組んだしっかり者の香とは、小・中を通じて生徒会の会長・副会長コンビとしてもパートナーとなり、この小柄だがしっかり者の姉御にはすっかりオンブにダッコというテイタラクだったことも、今では懐かしく思い出される。
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