高校受験が間近に迫り、全生徒の受験する高校が決定した。受験直前になると、担任のガンゾーから
「それぞれの志望校の所在地を書いた地図を渡す。同じ学校を受ける者同士、あらかじめ土日を利用して学校の下見に行っておくように」と、お達しがあった。
にゃべ属する1組では、ムラカミ、奈津子、そして小夜子ら計5人が学区トップの『A高』を受験(にゃべとムラカミは推薦が濃厚)、急上昇をして来ていたサッコは、結局『A高』の夢は叶わず2番手の『A東高』志願に廻る事になり、悪友トリオの一角であるマサも、同じく『A東高』受験組となった。実家が電機工事関係で手先の器用なシモッチは、当初志望通り『A工高』を受験する運びだ。
私立校の受験が先行して2月に行われるが、こちらの方は公立校の志望が決まると同時に自動的に決められる仕組みとなっていた。外部からの合格者は僅か40人という、名門私立の『東海高校』受験者は『B中』からは年に1人いるかどうかというオーダーだったが、学年主任から
『オマエは、どうせ『A高』推薦だから『東海』を受けてみたらどうだ?』
と奨められたものの、この時点ではまだ迷っていた。
(サッコめ、結局『A高』はダメだったか・・・)
と、なんだか複雑な胸中だったが
「取り敢えず、カワイのヤローが『東』に廻ってホっとしたぜー。そういや、アイツを一番嫌っていたマサは『東』で、また3年間一緒じゃねーか (ノ∀`)アヒャヒャヒャヒャ」
こんなムラカミの意地悪い笑いによそに、にゃべの頭の中はいつになく目まぐるしく回転していた。当然ながら既にサッカー部は退部していたから、その日はそそくさと自宅に帰るやさっそく机に向かい、埃を被ったままのスタンドを点けるももどかしく、ノートを広げる。傍目には
(ほぉー、さすがのアイツも受験を間近に控え、ようやく今頃になって目覚めたか?)
などと勘違いを誘うようなシーンだったが、その頭の中は勿論受験勉強などは欠片ほどもなく、お気に入りメンバー達の進路検討に占められていた
(* ̄m ̄)ブッ
まずは同じ『A高』受験のメンバーは、ムラ、オカド、コバヤシは決定と・・・あと他クラスでは、ヒムロ、もろこ、シミズ、ハヤマ(梓)は確実だし、マチャ、ナカジョーも、まあ間違いないだろう。残るは、タカシマ(千春)か・・・アイツは一体、どうなったんだろうか?
それはさておき、次に『東』(A東高)だが・・・マサとサッコか(*´ー`) フッ
こりゃ傑作 (ノ∀`)アヒャヒャヒャヒャ
グリは、どーなった? ヤツも『東』?
あとは、シモッチの『工業高』・・・ま、これは順当というべきだろうが。残るは『A高』の中で、ヒムロに関しては『東海』という線も有り得るな・・・そうそう、ヤツは『東海』に行って、ビリの方に落ちこぼれたら面白いな(*`▽´*) ウヒョヒョヒョ
ヤツが『A高』へ行くなら、この際オレがムラを誘って『東海』へ行くか・・・
あと女子では、ハヤマ辺りはエリート家庭らしいから『金城』や『南女(南山女子)』という線もあるかもな・・・そういや『C中』に流れた連中では、オーミヤやゴトーなんかも当然『A高』に進んでくるわけか。オーミヤは、どんな風に変わっている事やら。ゴトーのヤローは、サッカー部の大会で逢った時に 『東海が、オレを待っている・・・』とか寝言ぬかしてやがったが、ホンマかいな (゚c_,゚`)プッ
ゴトーと言えば、(サッカー仲間の)『A中』のドージマもいるのかな?
しかし問題は、やっぱタカシマだなー。折角、これだけいいメンツが揃った中で、アイツに『東』へ行かれたんじゃ、チトつまらんな。
こうなると関心事は、もっぱら一人行方が掴めない千春の進路だ。まさか誰かに訊くわけにもいかず、千春本人がフラリと遊びに来ればそれとなく話の持っていきようもあるが、こういう時に限ってどういうわけか、まったく音沙汰がない。こちらから、わざわざ訪ねていって訊くのも目立ちすぎるだけに
(タカシマは『A高』か『東』か?)
しばらくは、これでやきもきとさせられるハメに (-。-)y-゜゜゜
0 件のコメント:
コメントを投稿